第45回 イーサネット前田真一の最新実装技術あれこれ塾(1/4 ページ)

実装分野の最新技術を分かりやすく紹介する前田真一氏の連載「最新実装技術あれこれ塾」。第45回はLANで中心的に使われている基幹技術であるイーサネットについて解説する。

» 2015年11月25日 11時00分 公開
[前田真一実装技術/MONOist]
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本連載は「エレクトロニクス実装技術」2014年12月号の記事を転載しています。



編集部注:本記事の内容は「エレクトロニクス実装技術」2014年12月号掲載時点での情報となります。

1.イーサネット

 高速シリアルデータ転送の代表格はイーサネット(Ethernet)でしょう。イーサネットは、LAN(Local Area Network)で中心的に使われている基幹技術です。

 イーサネットは1980年に1.0規格がIEEE 802として公開されました。その後、2.0規格がIEEE 802.3として規格化され、現在の規格の基本となりました。

 IEEE 802.3は、PCI ExpressやUSBと同じで、通信のやりとりを制御するプロトコル(通信手順)ソフトウェアから、物理的に信号を通信する回路や転送速度などのハードウェアまで、いくつかの層(レイヤー)を持っています。

 当初は通信速度が1Mbps(1BASE)や10Mbps(10BASE)などでしたが、現在は100Gbps(100GBASE)にまで高速化されています。しかし、物理的なハードウェア層が変わって速度が変わっても、いくつかある途中の層が変化を吸収するためソフト層には変化がありません。

 これはUSBやPCI Expressなど多くの規格が速度や電力の変化で、規格のバージョンが変わっても、OSやソフトに変更の必要がない状況と同じです。

 特にPCIの場合は、並列のPCIバスとシリアルのPCI Expressの間でも、ソフトの互換性があります。

 イーサネットの規格でも、規格はIEEE 802.3のままですが、転送速度などハードの規格の違いはIEEE 802.3aなどと最後にアルファベットを追加して区別します。

 この規格では使用するケーブルの種類や仕様により、伝送距離が異なるいくつかの組み合わせが規定されています。

 また、アルファベットの添え字だけで規格を区別するのは分かりにくいこともあり、分かりやすい一般仕様名称が一般的に使われています。さらに、これらの他にマスコミや一般で使われる名称がある場合もあります。

 表1にイーサネット規格の各名称の関係と速度を示します。

表1:イーサネット規格
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