ヤマザキマザックは鍛圧機械の国際展示会「第8回 プレス・板金・フォーミング展(MF-TOKYO 2025)]において、レーザー加工機への素材供給、タップ加工、仕分け作業を自動化する「MAZAK LASER FA SYSTEM」を出展した。
ヤマザキマザックは鍛圧機械の国際展示会「第8回 プレス・板金・フォーミング展(MF-TOKYO 2025)」(2025年7月16〜19日、東京ビッグサイト)において、レーザー加工機への素材供給、タップ加工、仕分け作業を自動化する「MAZAK LASER FA SYSTEM」を出展した。
板金加工業界では、レーザー加工機の切断能力向上に伴い、厚板加工が一般的となり、レーザー加工前後の作業に対する負荷が増している。
MAZAK LASER FA SYSTEMは、レーザー加工機に付属するシートチェンジャー、タップ加工セル、自動仕分けセルで構成されるパッケージ自動化システムだ。各セルは後付けが可能で、設備導入計画に合わせて段階的にシステムを構築できる。各セルは、同社のCAD/CAM「MAZAK SMART SYSTEM」やスケジュール管理ソフト「Smooth System Controller」によって、レーザー加工機のCNC装置上で一括管理できる。対応機種は「OPTIPLEX 3015 NEO」「OPTIPLEX 3015 HP」。
自動仕分けセルでは、素材からワークを効率よく切り出すために割付されたネスティングのデータと製品の重心位置情報に基づいてマグネットの配置を変更する。それによって、1つのロボットハンドでさまざまな形状のワークを取り出すことができる。
自動仕分けセルのロボットハンドのプレートに装着されたマグネットは、それぞれテーブルに吸着する電磁石と、ワークを吸着する電磁石がセットになっている。マグネットの配置を変更する際は、プレートに吸着する電磁石への通電を切ることで、マグネットがプレートから外れる。そして配置する位置に応じて、ロボットがプレートを動かすことでマグネットを再配置する。プレートには複数の穴があいており、そこをマグネットに通電するケーブルが通っている。
ステンレスやアルミニウムなどマグネットで吸着できない素材の場合は、ワークを吸着する電磁石を、エアーによる吸着に変えることで対応可能だ。ネスティングの複雑さに応じて、マグネットの数や径も変更できる。加工後のワークに傾きがあった際も、電磁石はワークの面にならって吸着する動作が可能だ。万が一、ワークが素材の下に入り込み、素材に引っ掛かっている場合は、ロボットに内蔵された力覚センサーのデータで引っ掛かりを検知し、ワークの吸着を止める。無理に引き上げてワークが傷つくのを防ぐためだ。
ロボットハンド含む最大可搬重量は240kg、最大積載高さは260mm、搬送可能最大寸法は3048×1524mm、同最小寸法は径40mmで、板厚は1.0〜32.0mmまで対応する。
タップ加工セルは、ヘリカルタップ加工により最大M24までの大径タップや、座ぐりなどのミル加工が可能だ。レーザー加工機の機外でタップ加工することで、レーザー加工を停止せず高い生産性を実現する。
その他、自社開発の新型20kWファイバーレーザー発振器「Mazak SmoothCUT」を搭載した2次元レーザー加工機「OPTIPLEX 3015 HP」を出展した。切断用途に最適化されたビーム形状と高い収束性により優れた切断性能を実現した。
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