真空蒸着で金属箔上にリチウムを成膜、次世代バッテリーの開発などに活用:FAニュース
アルバックは、金属箔上にリチウムを成膜する巻取式真空蒸着装置「EWK-030」を開発した。真空蒸着は不純物の混入や酸化を抑えられるため、従来の大気環境下でのロールプレス技術より良好な膜表面が得られる。
アルバックは2025年2月13日、金属箔上にリチウムを成膜する巻取式(Roll to Roll)真空蒸着装置「EWK-030」を開発したと発表した。販売開始は同年5月を予定している。
巻取式真空蒸着装置「EWK-030」 出所:アルバック
同製品は、包装やキャパシター向けに同社が長年培ってきたフィルム上への金属薄膜蒸着技術を応用。真空環境下で蒸着形成されたリチウム薄膜は不純物の混入や酸化を抑えられるため、従来の大気環境下でのロールプレス(圧延)技術より良好な膜表面が得られる。リチウムの材料使用効率を最大限に高めており、一般的な蒸着装置に比べてコストや環境面での優位性もある。
近年、EV(電気自動車)普及拡大のため次世代のバッテリー開発が世界中で活発化している。2022年に同社は、新エネルギー・産業技術総合開発機構の「グリーンイノベーション基金事業/次世代蓄電池・次世代モーターの開発」プロジェクトにおいて「リチウム金属負極生産技術」の開発で採択された。
同製品は同プロジェクトの成果の1つで、全世界における次世代バッテリーの開発や生産をはじめとする幅広い分野での活用が期待される。
⇒その他の「FAニュース」の記事はこちら
自動車唯一の電源、鉛バッテリーの仕組み
自動車のさまざまな機能を支える電装部品。これら電装部品について解説する本連載の第1回では、自動車の唯一の電源である鉛バッテリーの仕組みについて取り上げる。
エコカーとともに進化する鉛バッテリー
代表的な電装部品の1つとして知られている鉛バッテリー。今回は、前回に引き続き、鉛バッテリーをさらに深く掘り下げる。充電制御機能やアイドルストップ機能など、最近のエコカーに搭載されているシステムへの対応についても紹介しよう。
リチウムイオン電池を車載用にするための幾つものハードル、そして全固体電池へ
クルマのバッテリーといえば、かつては電圧12Vの補機バッテリーを指していました。しかし、ハイブリッドカーの登場と普及により、重い車体をモーターで走らせるために繰り返しの充放電が可能な高電圧の二次電池(駆動用バッテリー)の重要性が一気に高まりました。後編では、ニッケル水素バッテリーの欠点だったメモリ効果をクリアしたリチウムイオンバッテリーについて紹介します。
エコカーとともに進化する鉛バッテリー
代表的な電装部品の1つとして知られている鉛バッテリー。今回は、前回に引き続き、鉛バッテリーをさらに深く掘り下げる。充電制御機能やアイドルストップ機能など、最近のエコカーに搭載されているシステムへの対応についても紹介しよう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.