真空蒸着で金属箔上にリチウムを成膜、次世代バッテリーの開発などに活用FAニュース

アルバックは、金属箔上にリチウムを成膜する巻取式真空蒸着装置「EWK-030」を開発した。真空蒸着は不純物の混入や酸化を抑えられるため、従来の大気環境下でのロールプレス技術より良好な膜表面が得られる。

» 2025年03月04日 13時00分 公開
[MONOist]

 アルバックは2025年2月13日、金属箔上にリチウムを成膜する巻取式(Roll to Roll)真空蒸着装置「EWK-030」を開発したと発表した。販売開始は同年5月を予定している。

キャプション 巻取式真空蒸着装置「EWK-030」 出所:アルバック

 同製品は、包装やキャパシター向けに同社が長年培ってきたフィルム上への金属薄膜蒸着技術を応用。真空環境下で蒸着形成されたリチウム薄膜は不純物の混入や酸化を抑えられるため、従来の大気環境下でのロールプレス(圧延)技術より良好な膜表面が得られる。リチウムの材料使用効率を最大限に高めており、一般的な蒸着装置に比べてコストや環境面での優位性もある。

 近年、EV(電気自動車)普及拡大のため次世代のバッテリー開発が世界中で活発化している。2022年に同社は、新エネルギー・産業技術総合開発機構の「グリーンイノベーション基金事業/次世代蓄電池・次世代モーターの開発」プロジェクトにおいて「リチウム金属負極生産技術」の開発で採択された。

 同製品は同プロジェクトの成果の1つで、全世界における次世代バッテリーの開発や生産をはじめとする幅広い分野での活用が期待される。

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