実装分野の最新技術を分かりやすく紹介する前田真一氏の連載「最新実装技術あれこれ塾」。第46回は外部ディスプレイ装置の接続規格について解説する。
日本ではデジタル家電が業績不振の代名詞のようになっていますが、ビデオ関係は非常に大きなマーケットを持っています。
ビデオ機器は多くの技術の分野にまたがっています。放送局から、部品メーカーまで、世界中で非常に多くの企業がビデオ機器に関連しています。
多くの会社の製品や部品を問題なく接続するため、ビデオは信号の変調や圧縮、伝送など多くの規格や業界標準が必要となります。
逆に標準的な規格を主導する企業は多額のライセンスや部品の販売が見込めます。また、特定の企業にライセンスが生じるのを嫌い、幾つかの有力会社がコンソーシアムを作って、統一規格を制定することも増えてきました。
古くはベータとVHSのビデオ規格、DVDの規格、Blu-ray規格、MPEG圧縮など多くのビデオ関連規格が話題となりました。また、放送などでは、どこでも国の認可事業であり、国家的なインフラとなるため、ハイビジョン規格をめぐって、日本のNHKが進めるMUSE規格とアメリカが進めるデジタル規格などのように地域や国家までが規格化に関係する場合もあります。このように、現在ではビデオ関連で非常に多くの規格が存在しています(図1)。
現在、デジタルビデオは初期のアナログビデオ解像度から、ハイビジョン、フルハイビジョン(2K)、その4倍の解像度をもつ4K、さらに4倍の8Kへと高解像度化が急激に進んでいます。
それに伴い、データ転送速度も急激に高速化が要求されています(図2)。
この高速化に応じて、データ転送規格についてもバージョンアップなどで高速化を図っていますが、高速化に応じて高速化した新しい規格の発表もあります。
新しい規格は、高速化や小型化、高密度実装化などより高性能な対応ができますが、古い規格との互換性などの問題もあります。新しい規格を提案した会社の規格が多くの会社で採用されれば、ライセンス料であるとか、ドライバーやレシーバICの販売、IPのライセンス料など大きなビジネスチャンスがあるので、次々と新しい規格の提案があります。ビデオ信号のシリアル転送方式の代表的なものを紹介します。
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