マイクロプロセッサチップが高集積度、高機能になるに従い、PCも小型化し、ノートPCでもある程度の仕事ができるようになってきました。
このため、急速にディスクトップPCからノートPCへの移行、ノートPCの小型化が進んできました。
DVI規格はPCのディスプレイ用に開発された仕様で、データ転送速度も十分なのですが、コネクタが大きいことが問題となりました。HDMIもR、G、Bをサポートするようになり、PCのディスプレイ用にも使えるようになりましたが、やはりノートPCには、コネクタが大きすぎます。ノートPCは薄く、軽いことが大きな付加価値になっています。このため、DVIやHDMIコネクタよりも小型のコネクタを使い、安価で将来のディスプレイの高解像度化にも対応する、新しいディスプレイインタフェースが提案されるようになりました。
DisplayPortはこのような背景で、2006年にPCメーカー中心のコンソーシアム、VESA(Video Electronics Standards Association)から発表された規格です(図10)。
DisplayPortはユーザーであるPCメーカーが主体の団体から提唱されたため、ライセンス料金を徴収せず、製品の価格を抑えられます。
コネクタは20ピンでR、G、Bが差動信号で送られ、この他、音声信号も扱えるようになっています。
コネクタにはDisplayPortコネクタと小型のMini DisplayPortコネクタの2つがあります。コネクタの高さは4.76mmと4.6mmと、両方とも5mm以下に抑えています(図11)。
2008年にAppleがHDDやCD/DVDなどの光ディスク装置を無くした超薄型ノートPC(MacBook Air)を発表し、大好評を得ました(図12)。
その後、インテルでも2011年に同様のコンセプトで、Ultrabookを提唱しました(図13)。
これら、全体の厚みが17〜23mmのノートPCに対して高さ5mmのDisplayPort(Mini DisplayPort)が採用されました(図14)。
このMini DisplayPortはタブレット端末にも採用されています。
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