NTN、風力発電装置用の超大形主軸受試験設備「WIND LAB.」を自社開発FAニュース

垂直・水平方向で計6個の油圧シリンダーを使って軸受に荷重を発生させ、実際の風力発電装置で使用されている状態を再現することで、軸受の詳細な技術解析や仕様検討ができる。外径約4.2mまでの主軸受の評価が可能。

» 2014年08月12日 13時45分 公開
[MONOist]

 NTNは2014年7月25日、風力発電装置用の超大形主軸受の実物評価が可能な試験設備「WIND LAB.」を開発・導入したと発表した。洋上風力発電装置の主軸用軸受(以下、主軸受)の技術開発を強化するためで、試験設備としては世界最大級のものだという。

 風力発電装置において、直径100mを超える翼(ブレード)の回転を支える主軸受は最重要部品の1つ。電力需要の拡大とともに、発電効率の向上を目的として大型化する風力発電装置用の主軸受は、高出力化や過酷な立地環境への対応などが必要とされている。また、不具合が発生すると発電が停止し、交換作業に多額の損失が発生するため、高い品質と信頼性が求められているという。

 そのため同社では、これまで軸受開発で培った評価技術を活用し、外径約4.2mまでの主軸受の評価が可能な試験設備WIND LAB.を自社開発。三重県桑名市にある先端技術研究所内に設置した。

 新設備は、垂直・水平方向で計6個の油圧シリンダーを使って軸受に荷重を発生させ、実際の風力発電装置で使用されている状態を再現することで、軸受の詳細な技術解析や仕様検討ができるもの。定常状態での評価に加え、極限状態にある荷重条件下の試験も可能となっている。また、自動調心ころ軸受や円すいころ軸受など各種の軸受にも対応している。

 さらに、同社が開発した風力発電装置用状態監視システム(CMS)「Wind Doctor」を組み込むことで、試験中の軸受状態をモニタリングできる。これにより、軸受の機能向上やCMSによる設備診断技術のさらなる高度化が図れるという。

photo WIND LAB.の外観および主な仕様
photo 風力発電装置に使われる軸受の例

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