富士フイルムは、工場の生産設備の設計・保全サービスを、設備計画立案から導入後のフォローまで一貫して担う子会社「富士フイルムエンジニアリング」を設立した。
富士フイルムは、工場の生産設備の設計・保全サービスを、設備計画立案から導入後のフォローまで一貫して担う子会社「富士フイルムエンジニアリング」を、2014年4月1日付で設立した。
富士フイルムエンジニアリングは、富士フイルムの「R&D統括本部 生産技術センター 設計グループ」と「神奈川工場 保全技術部」の統合により設立する新会社となる。従業員数は約300人となる。両部門は、これまで富士フイルムおよび一部のグループ会社の生産設備を対象に設計・保全サービスを提供してきた。しかし、新体制により、対象範囲を富士フイルムグループ全体に拡大することで、生産コスト低減を実現するとともに、社外に対して設備に関する設計・保全サービスおよびコンサルティングビジネスを展開していく。
富士フイルムでは、写真感光材料、フラットパネルディスプレイ用フィルム、医薬品など幅広い分野の製品群を展開している。これらの製品を効率的、かつ安定的に生産するための独自の設備技術力を自社で培ってきた。自社内で全てのプロセスを行うことで、生産プロセスの全体構想力、設備の最適設計力、保全技術力などを高め、これらを支える基盤として、各種シミュレーション、高精度加工、劣化診断などの技術を蓄積してきた。例えば「保全技術なども時間軸だけではなく状態軸での状況把握が可能な技術なども独自で保持している」(富士フイルム広報部)という。
今回新たに設立した富士フイルムエンジニアリングでは、これらの設備技術力を、グループ会社全体に提供するとともに、グループ以外の会社にも提供し、新たなビジネスモデルの構築を進めていく。外部に提供するのは主に「新規工場立ち上げ時の設備構築に関するコンサルティング」と「保全に必要な設備やソフトウェア、計測技術などの販売」の2つだ。
顧客対象は「工場を持つ製造業全般」だが、当面は「富士フイルムと業態の近い化学、製薬、食品などが中心になるだろう」(同広報部)としている。
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