日本文化を世界にアピールする経済産業省のクールジャパンは、残念ながら町工場は対象外? でも町工場版のクールジャパンがあってもいいのでは?
経済産業省のクールジャパン構想の着地点が見えてきた。クールジャパンは1000億円もの資金を投じて、日本文化を世界に売り込む取り組みだ。文化といっても、その中身はクリエイティブ産業で、映像、音楽、食料品、ファッションなどのメディアやコンテンツが主だ。ここには製造業(町工場)は登場しない。
世界が共感する「クールジャパン」の海外進出促進、クリエイティブ産業の育成や国内外への発信などの施策を業種横断的、政府横断的に推進しています。
平成23年5月にとりまとめをいたしました「クールジャパン官民有識者会議」提言に基づいて各種施策をすすめています。
(原文ママ)
町工場はもうクールジャパンの対象外なのだろうか? おかしらの私見だが、その答えは「Yes」だ。
新興国との賃金格差がこれだけあって、今更単にモノづくりだけに投資したとて、リターンはない。官民合わせた大資本がやることだ、末端の町工場のことまでは考えてはくれないだろう。
では、指をくわえて眺めているだけか? ……いやいや、諦めちゃいませんよ。
これからの市場の作り方は、良いモノを作れば勝手に広がるというワケにはいかず、仕掛けが必要だ。イベントや話題を興し、それに伴うモノづくりをする。これがクールジャパン構想で言う、「クリエイティブ産業」になっていくのだろう。
そこで、「町工場的クールジャパン構想への道」を考えた。
1.は、コマ大戦をやってみて他業種の方々と多く知り合えた。マスコミの方々や行政部局長、大手戦略室長、などさまざま。コマ大戦各地での開催でプロデューサー候補もたくさん現れている。候補者は経営者だ(関連記事:「僕らはどうしてコマ大戦をやるのか」)。
2.は、「PEMS」(新興国起業塾)や「インデックスライツ」(町工場経営者軍団による出版事業)のような“越境組”が先導してくれよう。まだまだ日本文化に触れたいという国は多い。その人たちが日本を忘れないうちに接点を作らねば。候補者は若手、中堅社員だ(関連記事:「中小製造業の現役経営陣だらけで運営する新メディア――あえて欧米で、紙雑誌」)。
3.は、町工場の皆さんもミナロでもやっている事であり、元を返せばそのための町工場的クールジャパン構想だ。候補者は若手、ベテラン社員。
「モノづくりこそクールジャパンだ!」と思う人はわれわれと一緒に仕掛けましょうぜ!
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