「“経営者感覚を持った従業員”を育てて組織するのがよい」と京セラ名誉会長の稲盛和夫さん。その思いに共感したおかしらこと心技隊隊長・緑川さんのコラム。
NHKで「メイド・イン・ジャパン 逆襲のシナリオII」という番組が、2013年5月11〜12日と2夜連続でやっていた。出演者がジョン・カビラさん、ナレーションが小林千恵さんで、思い入れも強まる。
前回2012年10月のタイトルは、「日の丸家電」と「復活への新戦略」だったが、今回の1回目は「ニッポンの会社をこう変えろ」だった。「大手企業の大組織を見直し、小さな組織にし、小回りの効く会社にすれば利益が出る!」という話だった。
もともと、大企業だって1つの部門は多くても数十人だ。「その部門1つ1つが独立採算だったらいいんじゃね?」とおかしらは以前から思っていた。つまり、部門のリーダーが中小企業経営者と同じような感覚になれればよいのだと。しかしそれは、やはり無理な話で、経営者感覚がある従業員は、実際、ほとんどいない。いたら、とっくに独立開業しているだろう。
一方で、京セラ名誉会長の稲盛和夫さんの「“経営者感覚を持った従業員”を育てて組織するのがよい」という言葉。それにより、京セラは町工場として創業して以来、ずっと黒字経営だという。
何だろう……、この違いは。何で稲盛さんはできるのに、他の人はできないのだろう?
もう1つ、話の中で、「中小企業の大連合を作る」という言葉が出てきたが、おかしらの言う「中小企業連合」とは違うものだった。それは中小企業が核となり、大企業の仕事を創造する、といえばよいのかな……。もちろん、よいやり方だと思うし、「アナハイム計画」に取り入れようとも思った。
おかしらが考える中小企業連合とは、こうだ。――ここ四半世紀、大手企業の放漫なやり方が、国内産業の空洞化を招いてきた。その空いた穴を埋めるには、中小企業が連携して新たな産業を作り、自分たちが雇用と生産と消費の主役になるべく、政府や報道機関、金融機関にとって“放っておけない存在”となることだ。
過去のおかしらの講演: | |
---|---|
⇒ | 中小企業が、目立って集まって、国を動かす!:中小企業連合で、日本を動かそう |
そのために重要なことは、番組の中でも少しだけ出てきたけれど、日本の良さである「他人に対する配慮」や「おもてなし」だ。つまり、稲盛さんの著書にも出てくる言葉にある「利他」。これだよ。
まだ日本に残っている良さ、精神文化、伝統芸術、技術産業教育、教養などなど、これらが伝わって、ようやく利他ができるリーダーが育ち、日本の会社がよくなるのだと思う。
組織の組み替えだけじゃ、またすぐダメになる。そうならないためにも、「日本の良さは、何なのか」を自分たちが知ることだ。
「中小企業連合の先にあるものは、オールジャパンプロジェクトや!」
2013年5月16日、インドネシアのジャカルタで、インドネシア金型工業会(IMDIA)主催で「全日本製造業コマ大戦」の模擬大会が開催されました。コマ大戦、いよいよ、世界大会へのはじめの一歩です。なお、ジャカルタ大会の本戦も開催される予定です。現在、中小企業の有志たちにより準備中です。現在、支援を募っているとのことです。詳しくは、以下のサイトをご覧ください。
>>全日本製造業コマ大戦 海外展開支援!(JustGiving Japan)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.