起業家でもある心技隊 事務局長いわく、「起業はするな」。でも起業家は増えてほしい。ではどうしたらいいの!?
2013年も残り40日余りとなっていますが、皆さんは、年初に立てた目標の達成度はいかがだろうか。
私は、うまく進められていることと、全く手付かずのことがある。
この時期となっては、1つでも多く目標達成するために、目標の選択と集中をしてしっかりと達成したといえるようにしていこうと思っている。
今回の、私から送る未来を創るヒントは、「自分のために起業はするな!」だ。
最近のマスコミは、むやみに起業をあおる風潮があるように思う。アベノミクスで、起業の後押しをする政策が進められているからだろう。現状は廃業や倒産が起業数を上回り企業数が減少しており、確かに日本の未来を考えれば起業家が増えなければ、雇用の確保や市場の活性化ができなくなり、活力ある日本は取り戻せないだろう。政府がこの方針を示すのは、ごく当たり前に理解できる。
私自身も、2004年4月にエムエスパートナーズを創業した起業家の1人でもある。あと半年足らずで、創業10年を達成する人間の目線で、起業に意欲的な皆さんにお伝えしておきたいことがある。
最初に結論を言うと「起業はするな!」と言うことです。理由はなぜかと言うと、創業10年を迎えられる企業は5%にも満たない現実が待ち受けているからだ。起業に失敗した場合のリスクを考えた場合、今の日本でそのリスクは甚大で再起を図れるチャンスは皆無だ。
自己資金で創業資金を用意し、その範囲だけで収まるのならば文無しになるだけで済むし、起業に失敗した「負け犬」というレッテルを貼られるだけで済む。
私が経験してきた範囲でしかないが、創業しビジネスを軌道に乗せるには、最低1000万円程度のスタートアップ資金(資本金)が必要だと思う。IT系ならもっと少ない投資で始められるだろうが、事業を軌道に乗せるところまで考えれば、結果的には総投資額に大差はないだろう。
それに、会社員として得られていた給料と、操業してから得られる最初の数年間の報酬を比べると、2分の1以下になると思っていた方がよい。2分の1で済めば優秀な方だ。
そして、ある程度事業が軌道に乗ると、必ず「資金繰り」という壁にぶつかる。売り上げの回収と、支払いのタイミングが逆になれば、手元資金で支払いが出来なくなる。不思議とそのタイミングが準備資金が底をつくタイミングと重なることが多いようだ。
私もこのタイミングで自己資金だけでは事業が維持できなくなり、資金調達を余儀なくされた経験をした。あえてネガティブな表現をするが、こうして借金経営が始まるわけだ。最初は、「売り上げが回収できれば返済できるんだから大丈夫」と考えるが、売り上げには波がつきものだ。
なぜだか売り上げの波がピークを過ぎるタイミングで、支払いのタイミングが悪いケースが多く、そこでまた資金がショートする。
借り入れをしていく中で、リーマンショックのような想定できない経済危機や取引先の倒産などの不慮の事故が発生すると、その借り入れが一気に「負債」という呼び名に変わるのだ。そして、その負債を返済するために、自分の理想とは違う、受注活動が始まる。これが現実だ。
苦しいときに限って、社員は辞めていくもので、ピンチは津波のように何度も繰り返し襲ってくる。この現実を乗り越えた企業だけが、10年という節目を迎えられる。また、10年続かない理由はこれだけではない。
私が起業した当時、起業家セミナーなどに足を運んだときに出会った方々は、今、どうしているのだろうか? 数人は今でも交流を続けているが、その当時にこれは続くのかなと思ったビジネスで起業された方の消息は、今となっては分からない。風のうわさでは、廃業したり倒産したり、人にだまされて借金だけを背負う羽目になった人も居たようだ。
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