オークマは、高精度1サドルCNC旋盤「LB3000 EXIII」を発表した。「LB-EX」シリーズの最新モデルで、同シリーズの高精度、高生産性を強化し、先進の脱炭素技術を搭載している。
オークマは2023年3月17日、高精度1サドルCNC旋盤「LB3000 EXIII」を発表した。「LB-EX」シリーズの最新モデルで、同シリーズの高精度、高生産性を強化し、先進の脱炭素技術を搭載している。
LB3000 EXIIIは、X、Z送り軸に高剛性の「すべりガイド」を採用している。旋削加工能力は4.4mm2(S45C)だ。ミーリング加工能力は200cm3/分(S45C)、C軸割り出し位置決め精度は20秒(0.0056度)以下と高精度で、工程を集約する。
また、知能化技術「サーモフレンドリーコンセプト」を採用し、機械が自律的に高い精度を安定維持する。室温8℃変化での経時加工寸法変化は、φ5μm以下となっている。
生産形態に合わせて柔軟に対応する自動化システムを備える。「ARMROID」は、ロボットを加工室内に組み込むため、ロボットの設置スペースが不要だ。自動化周辺装置に必要な床面積を、従来の自立型多関節ロボットと比較して80%削減できる。
その他の自動化システムとして、生産量に応じて必要な加工機をワンタッチで自動化する「移動式協働ロボット」、周辺装置やロボットを容易に操作できるスマート加工セルコントローラー「smarTwinCELL」、自動化対応時のドア開閉による消費電力を80%削減する「前面ドア自動開閉電動化(特別仕様)」などがある。
クーラントタンクの清掃にも、自動化を取り入れた。クーラントタンク内の切削液の流れを制御してよどみをなくし、切削液中のスラッジを自動的に効率よく回収する。被削材が鋳物の場合のスラッジ回収率は99%だ。同社内設備の実績では、クーラントタンクの清掃とクーラントの交換が3年間不要だった。
これまでの専用機に代わり、タレット旋盤でギヤ加工工程を集約し、研削工程も集約している。タレット旋盤の工具本数不足は、Y軸機能を応用したダブルツールホルダーで解消した。サブ主軸仕様により、1台で表裏加工に対応する。
新世代CNC「OSP-P500」を搭載し、機械が自律的に脱炭素と高精度を両立。省エネ技術を搭載していない同等の機械と比べて、消費電力を14%削減する。また、サーモフレンドリーコンセプトにより、室温を一定に保つ恒温室が不要で、工場の設備コストや消費電力を削減できる。機械が冷却の要否を判断し、高精度のまま冷却装置をアイドルストップする省エネ機能「ECOアイドルストップ」も備える。
OSP-P500のデジタルツインにより、加工現場のCNCとオフィスのPCで、実加工時間の1000分の1、誤差1%以下でシミュレーションできる。加工の工程決定なども容易で、「スマート OSP 操作」により、初心者でも1日で加工プログラムの作成から初品加工までを実施できる。
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