実装工程をシミュレーションし、実行計画を自動作成する生産性向上システム:FAニュース
パナソニックは、生産性向上システム「製造オペレーションオプティマイザー MFO」の受注を開始した。プリント基板の実装工程をシミュレーションし、生産計画と実生産が整合する最適な実行計画を自動的に算出する。
パナソニックは2017年10月13日、生産性向上システム「製造オペレーションオプティマイザー MFO」(MFO:Manufacturing Operations Optimizer)の受注を開始した。プリント基板に電子部品を装着する現場において、実装工程を忠実に再現したシミュレーションモデルを活用し、実行計画を自動作成する。
製造オペレーションオプティマイザー MFOは、ドイツのシーメンス(Siemens)の生産工程シミュレーター 「Plant Simulationモジュール」に、パナソニックの実装工程に関するノウハウを組み合わせた。他社設備や作業者も含め、全ての実装工程をシミュレーションすることで、条件に応じた生産の変化を詳細に分析できる。また、その結果から、生産計画と実生産が整合する最適な実行計画を自動的に算出する。
最近では、モノづくりの現場ではマスカスタマイゼーションへの対応が求められており、生産設備能力や現場リソースを考慮した生産計画の立案が必要となっている。多くの現場では、熟練者が生産計画を基に各基板の生産順序や段取り作業計画の作成、作業人員の割り当てなどの実行計画を作成し、現場につないでいる。この方法では、最適な実行計画作成のために多くの工数と熟練者のノウハウが不可欠なのに加え、生産計画と実生産との差異や生産性低下の要因となっていた。
出典:パナソニック
- パナソニックとシーメンスの統合ラインシステムが始動、3年で100億円目指す
パナソニック オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社は実装ラインを統合管理する「統合ライン管理システム」を開発し、販売を開始した。同システムは2016年4月に発表したドイツのシーメンスとの協業によるもの。
- スマートファクトリーがいよいよ現実解へ、期待される「見える化」の先
ドイツのインダストリー4.0がきっかけとなり関心が高まった、IoTを活用したスマートファクトリー化への動きだが、2017年は現実的成果が期待される1年となりそうだ。既に多くの実証成果が発表されているが、2017年は、実導入ベースでの成功事例が生まれることが期待される。
- ドイツが描く第4次産業革命「インダストリー4.0」とは?【前編】
「インダストリー4.0(Industrie 4.0)」という言葉をご存じだろうか? 「インダストリー4.0」は、ドイツ政府が産官学の総力を結集しモノづくりの高度化を目指す戦略的プロジェクトだ。インダストリー4.0とは何なのか。同プロジェクトに参画するドイツBeckhoff Automationグループに所属する筆者が解説する。
- インダストリー4.0の地味化はいい傾向?悪い傾向?
製造業の産業構造を大きく変えるといわれている「第4次産業革命」。本連載では、第4次産業革命で起きていることや、必要となることについてお伝えしています。第13回となる今回は、2017年4月に開催されたドイツの「ハノーバーメッセ 2017」で見えた傾向についてまとめます。
- インダストリー4.0がいよいよ具体化、ドイツで「実践戦略」が公開
注目を集めるドイツのモノづくり革新プロジェクト「インダストリー4.0」。この取り組みを具体化する「実践戦略」が2015年4月に示された。同プロジェクトに参画するドイツBeckhoff Automationグループに所属する筆者が解説する。
- 第4次産業革命、2030年に日本の製造業が“あるべき姿”とは?
第4次産業革命にどう立ち向かうべきか。安倍政権における「ロボット新戦略」の核として取り組みを進める「ロボット革命イニシアティブ協議会」で、製造業のビジネス革新をテーマに取り組む「IoTによる製造ビジネス変革WG」が中間とりまとめを公表。日本の製造業の強みである「人」や「現場力」を生かしつつIoTなどを取り込む上での論点をまとめた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.