これらの内容を学ぶ前には、「Beforeスキルチェックテスト」を行います。テストというと社内の設計者も身構えてしまいますが、目的は基本的なスキルを測定することにあります。「十分に知識を得ているものは何か?」逆に「不足しているものは何か?」ということです。この測定結果によって、学ぶ側も、教える側もスキルの情報を共有できるわけです。
7つ道具の全てを学んだ後は、「Afterスキルチェックテスト」を行います。足りていなかった部分の習熟度の確認を行うわけです。このAfterスキルチェックでは、3次元設計能力検定協会の試験を活用する予定です。
この試験では、3D CADについても受験を行います。3D CADの種類によっては、その3D CADメーカー固有の認定試験制度もあります。私の場合は、CSWP(Certified SOLIDWORKS Professional)、CSWE(Certfied SOLIDWORKS Expert)といった認定資格を所有しています。それらの資格ではSOLIDWORKSの運用がベースになります。オプションとして板金機能、溶接鋼材機能、図面作成機能、サーフェス機能、構造解析といった内容も取得しました。これらを取得するためには、業務外で学ばなければなりませんでした。ただし学んだかいがあり、資格取得で得た知識は、単に機能を操作できるということではなく、設計やCAEを行う上でのスキルともなり、業務に役立っています。
SOLIDWORKSのようにプライベートな認定資格試験を持たない3D CADベンダーにとっては、3次元設計能力検定協会の3D CAD試験は、実用的な3D CADの試験として有用なものだと思います。
先ほどの体系図にあるように、さらに高度な公差設計やCAEの教育や、FMEAなどを学んでいきます。慣習的に行われていた設計者教育から、体系化された設計者教育への変化は、5年後の姿、10年後の姿を具体化して、入社した社員と共に共有して、教育計画を立てることができるようになり、「設計者のスキルが低い、上手く成長していない」と言われていたものを、良い方向へ導くことができるに違いありません。
私の会社では、まさにこれらがリアルタイムで行われようとしています。これもまた、設計者視点による3D CADも関わる中での教育推進です。3D CAD運用という要素をもった設計者教育活動であることを理解いただけるのではないでしょうか。
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