機械メーカーで3D CAD運用や公差設計/解析を推進する筆者から見た製造業やメカ設計の現場とは。今回は、筆者が参加した「SOLIDWORKS World 2018」の1〜2日目の内容を紹介する。
ダッソー・システムズ・ソリッドワークス(Dassault Systemes SOLIDWORKS:以下、ソリッドワークス)が米国カリフォルニア州ロサンゼルスで開催した年次ユーザーイベント「SOLIDWORKS World 2018」(会期:米国時間2018年2月4日〜2月7日、以下SWW2018)に参加してきました。今回で6回目の参加になります。
MONOist編集部からは朴尚洙氏が参加し、既にMONOistでカンファレンスの内容、新製品情報などが記事になっています。製品動向についてはそちらをご覧ください。
今回のカンファレンスですが、2017年と同じ場所(L.A.Live)で開催されたので、ホテルから会場への移動、会場内での移動がとてもスムーズでした。
今回のキーワードは、「THINK SOLIDWORKS」です。「考えてみよう」ということですね。さまざまな「THINK」がありました。開催初日(Day1)は「THINK FUTUREから」始まり、ダッソー・システムズ 取締役会副会長兼最高経営責任者Bernard Charles氏、ダッソー・システムズ 最高経営責任者ソリッドワークスGian Paolo Bassi氏らがシャンデリアの付いた乗り物に乗って登場し、SOLIDWORKSの将来として「新たな産業革命」「産業のルネサンス(Renaissance)」として語り始め、「THINK INNOVATION」「THINK NEXT is NOW」というように2日目(Day2)以降の内容へとつながっていくことになります。
「産業のルネサンス」などと言われてしまうと、何だか、「SOLIDWORKS WORLD JAPAN 2016」(2016年11月開催)で感じた、「IoT」という言葉へのモヤモヤ(関連記事:中小企業のメカ設計現場にとって「イノベーション」とは、「IoT」とは)が思い出されますが、こんなキーワードの付け方は、欧米の方々が得意とするところです。
例えば日本のユーザーイベントで、「産業のルネサンス」だなんて言ってしまったり、こんな演出をしてしまったりしたら、「大丈夫?」と言われてしまいそうなのですが、その後の講演内容には引き込まれました。
そういえば、ルネサンスは(Renaissance)はフランス語ですね。フランスはダッソー・システムズの本社拠点です。
「SOLIDWORKSが進化していくことが産業のルネサンス」ということで、1日目(Day1)は、「産業のルネサンスとは、インダストリー4.0やスマートファクトリーといわれるデジタル化をはるかに超えていくものである」という説明がありました。
今回はなぜか、「エコシステム」や「デジタルツイン」という言葉を聞かなかったのですが、このインダストリー4.0というものが、私のような装置産業しかもある特定の分野(私の会社ではフラットパネル製造関連)においては具体化されていない中で、それをはるかに超えると言われても、その理解は簡単ではありませんでした。
今回のイベントでは、インダストリー4.0は「昨日(Yesterday)」と言われてしまいましたが、私の会社ではまだ始まってもいません。デジタライゼーションについては、今まさに向き合い始めたところです。「果たして、何が産業のルネサンスなのか?」と同時に、「もしこれが現実であるなら、取り残されてしまっている」というのが、話を聞き始めた時の私の気持ちでした。
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