NECは、「リテールテックJAPAN 2025」において、リアルな「テレイグジスタンス(遠隔臨場感)」を体験することで購買意欲などを高められる「イマーシブ・コマース」の参考展示を行った。
NECは、「リテールテックJAPAN 2025」(2023年3月4〜7日、東京ビッグサイト)において、リアルな「テレイグジスタンス(遠隔臨場感)」を体験することで購買意欲などを高められる「イマーシブ・コマース」の参考展示を行った。
イマーシブ・コマースは、遠隔地の環境をまるで実際にそこにいるかのように、五感をフル活用したイマーシブな(没入感のある)体験を提供することで、商品の購買や現地への旅行などの意欲を喚起するためのソリューションだ。
展示では、プロジェクションVR(仮想現実)ブース内で臨場感のある遠隔地の映像と音声を視聴できるとともに、ディフューザーによって映像と関連する香りを体験できるようになっている。例えば、長野県への観光旅行や特産品であるそばを訴求するための映像として、そばの花畑の中に入り込んだり、そば屋に行って目の前のそば打ちを見られたりするデモを披露した。そば屋の映像では、ディフューザーからそば粉やめんつゆの香りを出すことで臨場感をさらに高めている。ディフューザーそのものは購入品だが、香りの元となる香料はNECがパートナー企業と共同開発している。
これらの長野県関連の映像コンテンツは、2025年1月に東京の銀座にある長野県のアンテナショップで行った実証実験で使用したものだ。「長野県に加えて、旅行意欲の高まりで新幹線利用の増加が見込まれるJR東日本とも連携して行った」(NECの説明員)。
なお、VRヘッドセットを使わない理由としては「家族など複数人で体験できることを重視した。イマーシブな体験を共有して互いの感想を言ったりできる効果が大きい」(同説明員)という。今後は2025年度内をめどに実用化を進めていきたい考えだ。
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