LIXILは、水道水中のアルカリ度が緑茶やコーヒーなどの香りと味に及ぼす影響を調査し、アルカリ度が高いと香りが強くなることを確認した。味に関してもアルカリ度が高いと、うま味成分が増加する傾向となった。
LIXILは2024年11月27日、水道水中のアルカリ度が緑茶やコーヒーなどの香りと味に及ぼす影響を調査し、アルカリ度が高いと香りが強くなることを確認したと発表した。京都大学大学院との共同研究の成果だ。
まず、水のpH緩衝能の指標であるアルカリ度とともに、硬度、pH、残留塩素が緑茶の香気成分と呈味成分に及ぼす影響を調べた。その結果、香りに関わる緑茶の香気成分に関してアルカリ度の影響が最も大きいことが明らかとなった。モノテルペンや青葉アルコールはアルカリ度が高くなるにつれ増加し、緑茶特有の香りが強くなった。
味に関してもアルカリ度の影響が最も大きく、アルカリ度が高くなるとともに渋味成分が減少し、うま味成分が増加する傾向だった。アルカリ度以外の影響としては、硬度が高くなると有機酸が減少することや、残留塩素が増加するほどカテキン類が減少する傾向が確認された。
緑茶以外の紅茶、ハーブティー、コーヒーについてアルカリ度が香気成分に与える影響を調べたところ、全てにおいてアルカリ度が高くなると香りが強くなることが明らかとなった。
水道水にはさまざまな成分が含まれており、硬度などはお茶やコーヒーの風味に影響を与えることが知られている。硬度と同様に水道水のアルカリ度もその地域の水源により異なるが、アルカリ度が風味にどのような影響を与えるかは解明されていなかった。
今後は、アルカリ度と他の水質因子の相互関係が香りや味に及ぼす影響を明らかにしていくことで、アルカリ度の調整によるさまざまな飲料の風味制御が期待できる。
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