北里大学とエア・ウォーターは、ミカンの皮を用いた老犬の認知症症状改善に関する共同研究を実施した。ミカンの皮に含まれるフラボノイド成分を投与した老犬は、夜鳴きなど認知症症状が改善した。
北里大学とエア・ウォーターは2025年3月17日、ミカンの皮を用いた老犬の認知症症状改善に関する共同研究の成果を発表した。ミカンの皮に含まれるフラボノイド成分を経口投与した老犬で、夜鳴きなど認知症症状の改善が認められた。
今回の研究では、未利用資源となるミカンの皮に含まれるフラボノイド成分の分析と、老犬の認知症症状の改善効果を検証した。フラボノイド成分の分析では、収穫時期の異なるミカンの皮を粉末化し、ヘスペリジンやノビレチンなどターゲットとなるフラボノイドの含有量を分析した。
フラボノイド成分を実験用ビーグル犬に経口投与し、体内に摂取された成分の吸収検証と、連続投与による腸内細菌叢の変化を解析したところ、細菌叢に抗アルツハイマー変化が確認された。また、認知症症状の強い老犬3匹では、認知症状の改善が認められた。
現在、エア・ウォーターでは、機能性ドッグフードの製品化を進めている。関連会社の歯愛メディカルと連携し、同年3月中旬から全国の動物病院などを介した一般モニターを募集している。これにより、認知症の老犬に対する効果を検証する予定だ。
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