NECと東京科学大学は、タブレット端末に搭載されているLiDARを用いた非接触3次元計測により、呼吸時の胸腹部の動きを定量的に可視化するAI技術を開発した。
NECは2025年3月13日、タブレット端末に搭載されているLight Detection And Ranging(LiDAR)を用いた非接触3次元計測により、呼吸時の胸腹部の動きを定量的に可視化するAI(人工知能)技術を発表した。東京科学大学と共同で開発した。
新技術は、iPad Proに標準搭載するLiDARセンサーの画像から、胸部呼吸を安定して計測できる胸骨の位置と、腹部呼吸の計測に適したへその位置をAIが自動抽出し、それぞれの位置の動きを波形グラフで表示する。測定精度は非接触で誤差5mm以下だ。
iPad pro1台で計測から可視化まで対応し、専用の機材を必要としないため、スペースに制限がある店舗などでも利用可能だ。着衣のままあおむけに寝て計る以外に、立位や座位などの姿勢でも測定できる。
呼吸の状態を確認する際、これまで専門家は触診や観察を通して胸部と腹部の動きを把握してきたが、わずかな変化を正確に捉えることは非常に困難だった。同技術は、客観的に呼吸時の動きを可視化するため、スポーツトレーナーやヨガ、ピラティスのインストラクターによる運動指導の効果を定量化したり、個人に合わせて指導したりといった応用が期待される。
NECでは2025年3月末より、整骨および接骨院、パーソナルジムなどを展開する法人向けに同技術を使ったサービスを提供する予定だ。また両者は、東京科学大学認定ベンチャーのVitalizar(ビタリザ)に同技術特許のライセンスを提供し、同年4月から個人事業主や中小企業に向けてサービスを提供していく。
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