ナノイーの照射でアルコールや加熱に耐性のあるエンドトキシンを不活化医療機器ニュース

パナソニックは、エンドトキシンに対するナノイー技術の不活化効果を実証した。ナノイーの照射により、アレルギー様症状の悪化要因の1つとされるエンドトキシンへの不活化効果を確認した。

» 2025年03月24日 15時00分 公開
[MONOist]

 パナソニックは2025年3月6日、エンドトキシンに対するナノイー(帯電微粒子水)技術の不活化効果を実証したと発表した。ナノイーの照射により、アレルギー様症状の悪化要因の1つとされるエンドトキシンへの不活化効果を確認した。

 今回の検証では、試験条件でナノイーをエンドトキシンに48時間照射したところ、99%以上不活化することを確認した。一方、細菌の滅菌条件となる90℃の加熱処理やエタノール80vol%での処理では、不活化効果が見られなかった。

キャプション エンドトキシン標準品を用いた検証の試験概要図 出所:パナソニック
キャプション ナノイー照射、アルコール処理、加熱処理によるエンドトキシン標準品の活性残存率[クリックで拡大] 出所:パナソニック

 また、大腸菌に対してナノイーを照射し、エンドトキシン活性を測定した。その結果、99%以上が不活化することが示された。

キャプション 大腸菌を用いた検証の試験概要図 出所:パナソニック
キャプション ナノイー照射による大腸菌を用いたエンドトキシンの活性残存率 出所:パナソニック

 エンドトキシンは、大腸菌などのグラム陰性菌の表面に存在する毒素で、PM2.5やハウスダスト中にも含まれる。ぜんそくや鼻炎などを悪化させる一因とされるが、アルコールや加熱に耐性があるため、一般的な消毒方法による不活化が困難だった。

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