本連載第100回で北欧諸国の医療SXにおけるイノベーションを取り上げたが、今回は特にスウェーデンに焦点を当てる。
本連載第100回で北欧諸国の医療SX(サステナビリティトランスフォーメーション)におけるイノベーションを取り上げたが、今回は特にスウェーデンに焦点を当てる。
2025年4月13日~10月13日までの間、大阪の夢洲で「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマとする2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)が開催される。
2025年3月に公表された「2025年世界幸福度報告書」によると、世界幸福度ランキングで、フィンランド(第1位)、デンマーク(第2位)、アイスランド(第3位)、スウェーデン(第4位)、ノルウェー(第7位)と北欧5カ国が上位を占めた(関連情報)。大阪・関西万博では、この5カ国が共同で北欧パビリオンを出展する予定だ(図1)。
北欧パビリオンでは、4月24日のデンマークを皮切りに、スウェーデン(5月14日)、アイスランド(5月29日)、ノルウェー(6月2日)、フィンランド(6月12日)と、北欧各国のナショナルデーが予定されている(関連情報)。また、2025年6月25~26日には、同パビリオン内で「北欧の健康EXPO - ライフサイエンス・デイズ」が予定されている(関連情報)他、翌6月27日には、東京の日本橋でビジネスマッチングを目的とした「北欧ヘルスサミット・ジャパン」が計画されている(関連情報)。
さて今回は、この北欧5カ国の中から、スウェーデンのライフサイエンス関連のイノベーション動向に焦点を当てる。
2024年11月7日、スウェーデン政府のエネルギー・ビジネス・産業省、教育省、保健省、社会福祉・公衆衛生省は共同で「改定版国家ライフサイエンス戦略」を公表した(関連情報、PDF)。この改定版は、スウェーデン政府が、ライフサイエンス分野で世界をリードする国にすることを目的として2019年12月に発表した「国家ライフサイエンス戦略」をアップデートしたものであり、同国における卓越性、長期的な競争力、そして患者利益の向上に貢献することを目的としている。
表1は、2024年改定版戦略より、テーマおよび目標を整理したものである。
本連載第90回で北欧諸国のデータ駆動型デジタルヘルス施策を取り上げたが、スウェーデンの場合、図2に示す通り、主要なライフサイエンスエコシステムが、首都圏を構成するストックホルム/ウプサラ地域やその南部にあるリンシェーピング地域、デンマークのコペンハーゲンとともにメディコンバレーを形成するマルメ/ルンド地域、北海への出口に位置するヨーテボリ地域、そして北スウェーデンのウメオ地域に分散している。
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