ダッソー・システムズ・ソリッドワークスは、年次ユーザーイベント「SOLIDWORKS World 2018」において、3D CADツール「SOLIDWORKS」のサブスクリプションサービスをさらに強化する方針を打ち出した。3Dシステムズの「3DXpert for SOLIDWORKS」やデスクトップメタルの「Live Parts」などが無償で提供される。
ダッソー・システムズ・ソリッドワークス(Dassault Systemes SOLIDWORKS:以下、ソリッドワークス)は、米国カリフォルニア州ロサンゼルスで開催中の年次ユーザーイベント「SOLIDWORKS World 2018」(会期:米国時間2018年2月4日〜2月7日)において、3D CADツール「SOLIDWORKS」のサブスクリプションサービスをさらに強化する方針を打ち出した。
同年2月6日の基調講演では、注目を集めているAR(拡張現実)/VR(仮想現実)や3Dプリント、IoT(モノのインターネット)についてパートナー企業との協業を拡大することを強調。その上で、サブスクリプションサービスユーザーへの特典として、パートナー企業のソフトウェアやサービス、SOLIDWORKSと連携するためのアドイン/プラグインなどを無償で利用可能にすることを発表した。
ソリッドワークスは、2016年にレンダリングツール「SOLIDWORKS Visualize」、2017年にCAMソフトウェア「SOLIDWORKS CAM」をサブスクリプションサービスユーザーに無償提供している。今後はこれらの特典が、ソリッドワークス製品以外にも広がることになる。
今回発表されたサブスクリプションサービスユーザー向け特典は3つある。1つ目は、3Dシステムズが提供する3Dプリントソフトウェア「3DXpert for SOLIDWORKS」だ。SOLIDWORKSの設計データを直接取り込んで、サポート材の設定などを含めて3Dプリントに最適な状態に設計データを編集できる。3D CADツールのトレンドとして注目されている格子形状の生成を容易に利用できるのもポイントだ。加えて、3Dシステムズだけでなく全てのメーカーの3Dプリンタに対応している。
もともとの3DXpertは、金属3Dプリンタ向けのソフトウェアだが、3DXpert for SOLIDWORKSは樹脂と金属の両方に対応した。無償で利用できる3DXpert for SOLIDWORKSの機能は、有償の3DXpertと比べると限定されている。とはいえ、価格が1万8000米ドル(約200万円)からという3DXpertの機能を無償で利用できることは、特典としての価値は大きいといえるだろう。
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