ブラザー工業は、同社が開発した小型軽量のパルプモールド緩衝材が、包装分野の世界的なコンテスト「ワールドスター2025」で「ワールドスター賞」を受賞したと発表した。
ブラザー工業は2025年5月7日、同社が開発した小型軽量のパルプモールド緩衝材が、包装分野の世界的なコンテスト「ワールドスター2025」で「ワールドスター賞」を受賞したと発表した。
パルプモールドは、古紙などを原料とする紙製の成形品だ。同社が開発した新形状のパルプモールド緩衝材は、緩衝性能を保ちつつ小型、軽量化し、生産や輸送の過程などで生じるCO2の削減に貢献する。
同社は製品の梱包(こんぽう)材として、緩衝性能に優れたプラスチック製の発泡スチロール(EPS)を使用するに当たり、使用量を極力抑える「省EPS」に取り組んできた。しかし、プラスチックごみによる世界的な海洋汚染や、海洋汚染が生態系に及ぼす影響の大きさを考慮し、方針を「脱EPS」へと転換。EPSの代替となる新しい紙製の緩衝材を自社で設計することにした。
試作や分析を重ねた結果、緩衝材の重量を初期の設計から33%軽量化できた。また、緩衝材を小型化したことで、製品の中にはEPSを使用した梱包と比較して箱を7%小型化できたものもある。なお開発には、同社独自の衝撃シミュレーション技術を活用。試作回数が減り、短期間で開発できた。
世界包装機構が主催するワールドスターは、1970年から開催されているコンテストだ。同機構が承認した、国や地域レベルのコンテストで入賞した包装に応募資格が与えられる。同社のパルプモールドは、「2024日本パッケージングコンテスト」で入賞し、ワールドスターへの応募資格を獲得。今回、40カ国、550点の応募の中から、ワールドスター賞を受賞した。なお、ワールドスター賞は260点が受賞している。
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