NVIDIAのプラットフォーム「NVIDIA Blackwell」を、Ansysなど大手CAEソフトウェアベンダーが採用した。シミュレーションツールを最大50倍高速化し、CAEソフトウェアの性能をさらに最適化する。
NVIDIAは2025年3月18日(現地時間)、同社のプラットフォーム「NVIDIA Blackwell」をAnsys、Altair、Cadence、Siemens、Synopsysなどのコンピュータ支援エンジニアリング(CAE)ソフトウェアベンダーが採用したと発表した。
NVIDIA Blackwellは、シミュレーションツールを最大50倍高速化する。高速化したソフトウェアの性能を、NVIDIA CUDA-Xライブラリとブループリントを組み合わせてさらに最適化することで、製品の開発時間を大幅に短縮できる。また、エネルギー効率の高さは維持しつつ、コストを削減して、設計精度を向上できる。
ソフトウェアプロバイダーは、NVIDIA Blackwellを利用して、自社の顧客がリアルタイムでインタラクティブなデジタルツインを開発するのを支援したり、高速化できる。
Blackwellを統合するエコシステムは拡大しており、Altair、Ansys、BeyondMath、Cadence、COMSOL、ENGYS、Flexcompute、Hexagon、Luminary Cloud、M-Star、NAVASTO、Autodesk、Neural Concept、nTop、Rescale、Siemens、Simscale、Synopsys、Volcano Platformsが名を連ねている。
例えば、Cadenceは、離着陸時の航空機全体をシミュレーションする際にNVIDIA Grace Blackwellアクセラレーテッドシステムを役立てている。数十億に及ぶセルシミュレーションに、従来は数日かかっていたが、「Cadence Fidelity CFDソルバー」と「NVIDIA GB200 NVL72サーバ」1台を使用して同作業を24時間以内に実行できた。
また、Rescaleが、Blackwell GPUを活用して新しく立ち上げた「CAE Hub」により、ユーザーはNVIDIAと大手独立系ソフトウェアベンダーが開発した「CUDAアクセラレーテッドソフトウェア」にアクセスしやすくなった。CAE Hubは、NVIDIA GPUとNVIDIA DGX Cloudを搭載したクラウドで、柔軟かつ高性能なコンピューティングとAI(人工知能)技術を提供する。
Rescale CAE Hubの一部として、リアルタイムデジタルツイン向けの「NVIDIA Omniverse Blueprint」も利用可能だ。「NVIDIA CUDA-Xライブラリ」「NVIDIA PhysicsNeMo AI」「NVIDIA Omniverseプラットフォーム」と共に提供されており、外空気力学用として「NVIDIA NIM」マイクロサービスが初めて追加される。
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