金沢工業大学は、鹿島建設が開発を進めている「札幌4丁目プレイス」において、セメント系3Dプリンティング技術とCO2を吸収するコンクリート素材で製作されたベンチを設置する。
金沢工業大学は2025年4月17日、鹿島建設が開発を進めている「札幌4丁目プレイス」(札幌市中央区南1条西4丁目)において、セメント系3Dプリンティング技術とCO2を吸収するコンクリートで製作されたベンチが設置されることを発表した。設置場所は、札幌駅前通沿いとなる。
同ベンチの製作は、金沢工業大学の「KIT×KAJIMA 3D Printing Lab」と鹿島建設が取り組む技術開発の一環として行われたもので、セメント系3Dプリンティング技術とCO2を吸収するコンクリート「CO2-SUICOM」の融合によって実現した。
KIT×KAJIMA 3D Printing Labは、セメント系3Dプリンティングとカーボンニュートラルに向けた建設材料に関する技術開発/社会実装をテーマに、金沢工業大学と鹿島建設が、金沢工業大学 やつかほリサーチキャンパス内に開設したラボだ。3Dプリンティング技術とコンクリートにCO2を吸収/固定する技術を融合させ、異分野共創の下、産学連携による技術革新に取り組んでいる。
CO2-SUICOMは、製造過程で大量のCO2を強制的に吸収/固定化させることで、コンクリート製造におけるトータルのCO2排出量をゼロ以下にできるコンクリートだ。
札幌駅前通沿いに設置されるベンチは、金沢工業大学の学内コンペで決定した昆布をモチーフとするデザインを採用している。気温によって色味が揺らぐように変わる照明が搭載されており、大通エリアに新たな彩りを提供するとしている。
2025年4月25日に、札幌4丁目プレイスの商業施設「4PLA」の一部(1階3店舗)が、今夏予定のグランドオープンに先立ち先行開業する。4PLAではグランドオープンに向けて、多様なクリエイターが参加する館内アートワークを順次展開する計画で、今回のベンチ製作もそのうちの一つとして設置される。
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