2つ目は、金属3Dプリンタメーカーのデスクトップメタル(Desktop Metal)が提供する3Dプリント向けのジェネレーティブデザインが行える「Live Parts」である。自然界からインスパイアされた、生物の形態が形成される原理と先進的なシミュレーション技術を基にしたアルゴリズムを用いて、3Dプリントに最適な部品の形状を自動で生成する。
SOLIDWORKS上で生成したい部品に関わる拘束条件を設定した後、その設計データをクラウド上で動作するLive Partsにアップロードすれば、形状が成長し、最適な重量と強度になる様子をリアルタイムで確認することができる。生成した部品のデータは、ポリゴンデータとしてSOLIDWORKSの設計データに取り込むことが可能だ。
SOLIDWORKSのサブスクリプションサービスユーザーであれば、Live Partsのサービスを10時間分無償で利用できる。無償枠以降も、1時間当たり25米ドルで利用可能だ。
3つ目になるのが、Seeboが提供するIoTシステムの設計プラットフォーム「Seebo」だ。SOLIDWORKSや、電気配線設計ツール「SOLIDWORKS Electrical」、プリント基板回路設計ツール「SOLIDWORKS PCB」で設計したメカトロニクスデータとSeeboを容易に連携させられるアドインが無償で提供される。
Seeboは、Webブラウザベースのツールで、IoTシステムに用いるセンサー、データ接続、クラウドなどとの連携について、ビジュアルベースモデリングを基に定義を設定することができる。この定義さえ決めれば、IoTシステムを仕上げるための仕様や、シミュレーション環境、取得したデータを分析する機能などを自動で生成してくれる。また、IoTシステムを開発していく際に、自社内でカバーできない技術がある場合には、Seeboに登録されているエコシステムパートナーに委託することで問題を解決できるとしている。「IoTシステム開発プロジェクトの75%が失敗もしくは中止になっているといわれている。それは、ROI(投資利益率)モデルを担保しながらIoTシステムを定義できないという、最初の段階でつまずいているからだ。そこをクリアできても、次に開発の段階でスキルセットが足りないというハードルも存在する。Seeboは、これらの課題を解決できる製品だ」(Seebo 共同創業者兼CEOのLior Akavia氏)という。
Seeboの価格は、10〜20人規模の開発チームで、1カ月当たり2000〜5000米ドルとなっている。
なお、2月6日の基調講演でも「SOLIDWORKS 2019」の新機能が小出しで紹介された。しかしながら、今回のパロディー寸劇がどの方向に向かっているかはさらによく分からない状態に。支離滅裂、五里霧中とはこのことか……。

基調講演の合間に「SOLIDWORKS 2019」の新機能を紹介する寸劇の映像が流れる。新機能はともかく、寸劇そのものはもはやどこに向かっているかさっぱり分からない(クリックで拡大) 出典:ダッソー・システムズSOLIDWORKS 2019の新機能については、最終日の基調講演レポートでまとめて報告しますので今しばらくお待ちください。
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