3Dプリンタ活用のハードルの1つが、3Dモデリングによるデータ作成の難しさだ。その課題を解決するため、同社は3Dスキャナ製品の販売を予告。今回のCOMPUTEX TAIPEI 2015では、据え置きタイプの「XYZ デスクトップ スキャナー」と、ハンディータイプの「XYZ ハンドヘルド スキャナー」の2製品を披露した。
XYZ デスクトップ スキャナーは、机などの台の上で使用することを前提にした3Dスキャナ製品。ダヴィンチ 1.0 AiOの3Dスキャナと同じ方式「Slit Laser Triangulation」を採用し、200万画素のカメラとレーザーダイオードモジュールを2セット用いたデュアルスキャンエンジンを搭載する。スキャンエリアは最小30×30mm、最大120×120mmで、スキャン精度は0.25mmを実現。スキャン用のターンテーブルには重さ3kgまでの物体を載せることが可能だ。専用ソフトウェアにより、STL、DAS形式のデータとして出力できる。本体サイズは277×205×60mmで、重さ1.5kg。販売価格は299ドルを予定する(日本での販売は未定)。
一方のXYZ ハンドヘルド スキャナーは、直接手に持って使用するタイプの3Dスキャナ製品で、ランダムなドットパターンを照射してゆがみを計測する方式「Light Coding」を採用する。スキャンエリアは最小100×100×100mm、最大2000×2000×2000mmで、スキャン精度は1mm、深度画像は640×480ピクセル@60fpsで、カラー画像の解像度は1080p。サポートする作業範囲は0.3〜1.5mである。専用ソフトウェアにより、STL、OBJ、PLY、DAS形式のデータとして出力できる。本体サイズは41×157×61mmで、重さ433g。販売価格はXYZ デスクトップ スキャナーと同じく299ドルを予定する(日本での販売は未定)。
一般的に、3Dスキャナを活用してもデータの修正を行わなければ、そのまま3Dプリントすることはできない。そういった意味では、3Dスキャナは3Dデータ作成の“補助的ツール”であり、3Dデータを作るハードルが完全になくなるわけではない。しかし、これまで3Dスキャナというとそれなりに高価な装置が多かったので、299ドルという価格インパクトは大きく、3Dプリンタユーザーをさらに増やす起爆剤になるかもしれない。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.