XYZプリンティングジャパンは、スキャナー機能を搭載したパーソナル3Dプリンタ「ダヴィンチ 1.0 AiO」の国内販売を発表した。価格は 11万9800円(税込)で、販売開始は2014年11月中旬を予定する。
台湾Kinpoグループ傘下のXYZprintingの日本法人であるXYZプリンティングジャパンは2014年10月29日、スキャナー機能を搭載したパーソナル3Dプリンタ「ダヴィンチ 1.0 AiO」を同年11月中旬に販売すると発表した。
販売価格は11万9800円(税込)。大手家電量販店やECサイトの他、販売代理店から購入できる。
同社 ゼネラルマネージャーの吉井宏之氏は「パーソナル3Dプリンタ製品で、スキャナー機能を搭載した複合機を一般消費者向けに販売するのは世界初。これまで3Dプリンタを使いこなすにはモデリングのスキルが必要だったが、この製品によりそれが不要になる」とアピール。同製品は同年9月にドイツ ベルリンで開催された「IFA 2014」のメディア向けイベント「ShowStoppers IFA」において、“Innovation & Design Award 2014”を受賞し、国内発表が待たれていた(関連記事:スキャナ機能搭載の3Dプリンタ「ダヴィンチ 1.0 AiO」が“Innovation & Design Award 2014”を受賞)。
同製品の出力方式は、熱溶解樹脂積層方式(FFF:Fused Filament Fabrication)で、最大造形サイズは200×200×190mm。スキャナー用のターンテーブルが造形エリア(ベッド)の下部に付いた関係で、「ダヴィンチ 1.0」よりも造形サイズの高さ方向が10mmほど短くなっている。また、使用できるフィラメントは従来のABS樹脂に加え、同製品からPLA(ポリ乳酸)をサポートする。
「3Dプリントに関する基本的なスペックはダヴィンチ 1.0と同等。今回から新たにサポートしたPLAのフィレメントについては、11月中旬からクリア、ホワイト、ブラック、ブルー、レッドの順に発売する予定だ。最終的にはABS樹脂と同じ13色を展開したい」(吉井氏)。ちなみに、既存ユーザー向けにPLA対応オプションパーツの提供も検討中とのことだ。
一方、スキャナー機能は、200万画素のカメラとレーザーダイオードモジュールを2セット用いた「デュアルスキャンエンジン」を搭載し、スキャン精度0.2mm(200μm)を実現。3Dプリント出力を行うベッドの下側の空間に、スキャン用のターンテーブルが位置し、筺体の両脇部分にスキャナー(×2)が搭載されている。スキャン可能なサイズは150×150mmで、4分50秒ほどで3DデータとしてPCに取り込むことができる。なお、ターンテーブルは重さ3kgまで耐えられるとのこと。「約80万ポリゴンまでいける。高価なハイエンド3Dスキャナーには及ばないが、同価格帯のパーソナル製品の中では十分な精度を出せる」(吉井氏)という。
同製品には、PC用のスライスソフト「XYZware」に加え、スキャナー専用ソフト「XYZscan」が提供される。スキャンされたデータは自動補修機能により整えられ、同社独自のファイル形式(*.das)でXYZscan上に取り込まれる。ユーザーは、XYZscan上のGUIで簡単に大きさや表面の滑らかさを調整することが可能。編集後、そのまま3Dプリント(その場合、XYZwareが起動する)したり、いったんSTLファイルで保存したりすることができる。STLを編集できるツールを別途用意すれば、スキャンしたものにアレンジを加えることも可能だ。
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