大林組は日本ヒュームと共同で、3Dプリンタで製作したプレキャスト部材を擁壁工事に適用した。規格品との併用でフルプレキャスト化し、工程を約30%短縮している。
大林組は2024年12月3日、日本ヒュームと共同で、3Dプリンタで製作したプレキャスト部材を擁壁工事に適用したと発表した。規格品との併用でフルプレキャスト化し、工程を約30%短縮している。
今回の取り組みは、大林組を代表者とする共同企業体(JV)が施工する新丸山ダム建設工事において、同年7月に実施した。規格品と建設用3Dプリンタで製作したプレキャスト部材を仮設の工事用管理施設の擁壁に適用した。
擁壁の直線部に規格化されたプレキャスト部材を、規格化されていない隅角部3カ所には建設用3Dプリンタを活用したプレキャスト部材を適用。このプレキャスト部材は、専用の鋼製型枠を製作するプレキャスト部材と比較して、型枠の製作から現場施工までにかかる工程を約30%短縮し、コストを約5%削減する。より特殊性の高いプレキャスト部材の場合、さらなるコスト削減が見込めるという。
現場施工にかかる日数は、型枠を建設現場内で製作してコンクリートを打設した場合と比べ、約20日から1.5日と約90%短縮している。
新丸山ダム建設工事でのフルプレキャスト化は、2025年度以降に着工するダムの堤体工事にて、堤体内部の監査廊でも検討している。今回と同様に、建設用3Dプリンタ製のプレキャスト部材を工程の短縮効果が見込まれる部分に適用し、プレキャスト化による現場の生産性向上を図る。
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