米グーグルは、個人でも法人でも簡単にグーグルに特許を売却できるプラットフォームを開設することを発表した。同プログラムは実験的なもので、募集期間は2015年5月8〜22日(米国時間)に限られている。
米Google(グーグル)は2015年4月27日(現地時間)、誰でも簡単に素早くグーグルに特許を販売できる実験的なマーケットプレース「The Patent Purchase Promotion」を開設することを発表した。
The Patent Purchase Promotionは、知財に関する試験的なマーケットプレースで、グーグルに特許を売却したい人は、法人・個人にかかわらず、誰でも簡単に利用できるのが特徴だ。募集サイトは2015年5月8日にオープンされ同年5月22日(現地時間)まで募集を受け付けるという。
もし、グーグルが購入したい特許があった場合、同年6月26日までに応募者に連絡を取るとしている。
今回の特許購入プログラムの狙いとして、グーグルではパテントトロールへの対策を挙げている。
パテントトロールとは、特許権を持つが製品やサービスを生み出すわけでなく、訴訟などを通じ、ライセンス料や損害賠償金を得る企業のこと。米国における特許訴訟件数は、2013年には過去最高の6000件以上を記録し、そのほとんどがパテントトロールによるものだといわれている。
グーグルは「特許所有者は多くの理由のために特許を販売しているが、不幸なことに多くの(個人や小規模企業などの)小さな参加者にとって、特許を販売するハードルは高い。そのため、パテントトロールが最終的にその特許を得るような状況が起こっている。そしてその特許を基に、訴訟や無駄な努力の多くが生まれることになる。これはもともとの特許所有者にとって利益をもたらすものではない」とブログの中で述べている。そして「特許市場から、この摩擦を取り除くために今回のプログラムを行う」としている。
パテントトロール訴訟の問題は企業のグローバル化などが進む中で深刻化しており、グローバル企業にとっては、経営課題になりかねない状況になりつつある。2014年7月にはグーグルの他、キヤノンやドイツSAPらが参加する「License on Transfer Network」が設立される(関連記事)など、各社が対応策を試行錯誤している状況だ。
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