三菱マテリアルは、放熱性を高めた絶縁回路基板「Cu放熱板一体型DBA基板」を開発した。同社製DBA基板にCu放熱板を直接接合するため、従来品と比べて接合部の熱抵抗を大幅に低減した。
三菱マテリアルは2015年1月28日、放熱性を高めた絶縁回路基板「Cu放熱板一体型DBA基板」を開発したと発表した。ハイブリッド自動車などに使用される、高出力モーターなどの電源制御用インバーターに向ける。
Cu放熱板一体型DBA基板は、同社製DBA(Direct Bonded Aluminum)基板に、銅(Cu)放熱板を直接接合した構造を採用。従来は放熱板をはんだで絶縁回路基板に接合したものが一般的だったが、はんだは熱伝導率が低く、接合部の厚み(約300μm)で熱抵抗が発生するため、放熱特性の向上が困難とされていた。今回、はんだを介さず直接接合することで、従来品と比べて接合部の熱抵抗を大幅に低減したという。
融点の低いはんだ材を接合部に用いないため、SiC(炭化ケイ素)素子などの高温半導体を用いたパワーモジュールにも対応できる。Cu放熱板とセラミックス基板との間に接合した高純度アルミニウム層が、冷熱サイクルによる熱応力を緩和するため、セラミックス基板の割れを防止できるとしている。
厚Cu付きDBA基板にCu放熱板を直接接合した構造では、下側にCu放熱板を接合し、上下のバランスを調整することで、温度依存の反りを大幅に低減したとのことだ。
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