ニデックは、牧野フライス製作所から提出された質問状に対する回答を公開した。
ニデックは2025年4月17日、同社がTOB(株式公開買い付け)を行っている牧野フライス製作所(以下、牧野フライス)から同月11日に提出された質問状に対する回答を公開した。
牧野フライスは質問状で、ニデックのTOB開始予告発表の当初の見込みから遅れ、中国における競争法上の手続きがまだ完了していない理由を尋ね、ニデックは「中国国家市場監督管理総局の判断について回答できる立場にない」と答えた。
ニデックによるニデックマシンツール(旧三菱重工工作機械)やニデックオーケーケー(旧OKK)、TAKISAWA、イタリアのPAMAの買収前後での取引金額の比較については「第2回面談において、非公開情報、機微情報も交えて、4社がグループ入りした際に実際に起こった事例について、詳しく説明申し上げた。経営を揺るがすようなディスシナジーが発生していないことも繰り返し説明している」などと回答。また、牧野フライスがニデック傘下になった場合、年間売り上げの10%に当たる顧客から取引を継続できないとの声を受けている件については、ニデックは「(牧野フライスは)簡単に顧客を失うことのない高品質な機械、サービスを提供されていると考えており、具体的なリスクの予想についてシェアいただければ、さらに有益な議論を行うことができる」とした。
牧野フライスは、ニデックがTOBを巡って中国の浙江省金型協会と会談した際、同協会を「中国国内の金型業界で非常に重要な位置付け」と紹介した根拠などを質問。ニデックは「浙江省は中国でも金型業界が多く集まる地域であることから、重要であると考えている」と答えた。
牧野フライスの労働組合から寄せられた質問に具体的な回答を避けた理由については、ニデックは「面談の機会をいただければ、質問には誠実かつ真摯に回答させていただくが、非公開情報、機密情報を書面で回答することはできない」と述べた。
その他、1万1000円という買い付け価格の根拠や、牧野フライスの延期要請に応えずTOBを当初の予定通り実施した理由などについて答えている。
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