オムロンが、ドイツ・シュトゥットガルト近郊に製造現場の課題を顧客と共に解決する拠点「オートメーションセンタ Stuttgart(以下、ATC Stuttgart)」を開設した。
オムロンは2025年4月9日、ドイツ・シュトゥットガルト近郊に製造現場の課題を顧客と共に解決する拠点「オートメーションセンタ Stuttgart(以下、ATC Stuttgart)」をグランドオープンした。
オムロンでは、FA関連機器を個々に提供するのではなく、独自のコンセプト「i-Automation!」によって、製造現場の課題を解決するソリューションとして提案する動きを強化している。そして、顧客が課題解決を体感できるようにするとともに、協力して課題解決の仕組み作りを進められる拠点として整備を進めているのがATCだ。
オムロンはATCおよび協働ロボットやモバイルロボットなど各種ロボットを使ったワーク検証や、装置の持ち込み検証など顧客の使用環境に合わせた実証実験が可能な施設PoC(Proof of Concept)ラボを全世界で48拠点展開(今回の新拠点を含む)していて、今回の新拠点もそのグローバルネットワークの一部となる。
ATC Stuttgartは、ドイツ・シュトゥットガルトの南に隣接し、シュトゥットガルト空港が置かれている都市であるフィルダーシュタットに立地。総エリア2432m2のうち、1353m2をデモエリアとPoC(Proof of Concept)ラボエリアが占め、その他、オフィスエリア894m2などを備える。シュトゥットガルト空港からは車で数分の距離にあり、「アクセス面も理想的な立地だ」としている。
同社は、ATC Stuttgartについて「共創、PoC開発、実践的なコラボレーションに重点が置かれた施設だ」と強調。デモエリアでは、AI(人工知能)を活用したデジタルソリューションで生産ラインを制御するコントロールセンターや倉庫管理、事前仕分けや生産ライン用準備などのアグリゲーション、組み立てと検査および、そして、それらをつなぐ自動搬送ロボットと、生産ラインにかかわるあらゆるソリューションを網羅。また、製薬業界向け検査装置などさまざまな業界向けにカスタマイズされたソリューションも用意し、最新の生産ラインのバリューチェーン全体を通じ、それらがどのように機能するかを実際に確認できる。また、PoCラボエリアでは、固定の設備がなく顧客のニーズに合わせ柔軟に対応。ビジョンやロボティクスだけでなく、AIやデータサービスなどあらゆるPoC開発が可能だ。
同センターのマネージングディレクターであるPeter Ehl(ピーター・エール)氏は「われわれの目標は顧客のPoC、プロジェクト、フィジビリティスタディーをサポートし、共創/共同開発を行うことだ。シュトゥットガルトには、顧客と緊密に連携し、共にソリューションを開発、共創するスペシャリストチームがいる」と語った。また、必要に応じて世界のATCネットワークも活用可能で、「例えば、バッテリー製造やデジタル産業の分野では、グローバルなネットワークに非常に経験豊富な人材がいる。このような産業はドイツに戻りつつあるが、長年これらの産業に携わり、多くの経験を有するアジアの同僚らの経験が生かせるだろう」などと強調していた。
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