オムロンがドイツに新共創拠点、重要市場「欧州」のモノづくり革新を後押しFAニュース(2/2 ページ)

» 2025年04月22日 06時30分 公開
[永山準MONOist]
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「東京に次いで2カ所目」の施設

 オムロンの中東欧担当セールスディレクターであるKlaus Kluger(クラウス・クルーガー)氏は「このタイプのATCは東京に次いで2カ所目だ」とも説明。「日本において高い価値が証明された」(同氏)とする形式のATCの2つ目の立地として、オートメーション分野において欧州最大の市場であるドイツが選ばれ、その中でも南西部のシュトゥットガルト周辺が同社の顧客が最も密集することなどから、今回のATC Stuttgart設置が決定したのだという。エール氏も「シュトゥットガルト周辺を3〜5時間かけて回れば、ドイツの機械メーカーの約70%が見つかる。顧客にとって良好なアクセスがある」と語っていた。

オムロンの中東欧担当セールスディレクター、クラウス・クルーガー氏 オムロンの中東欧担当セールスディレクター、クラウス・クルーガー氏

 また、ATC Stuttgartは欧州のATCとしても2カ所目になるといい、エール氏は「ホームマーケットとしてATCを3カ所置く日本を除くと、われわれは、世界各国の市場にATCをそれぞれ1カ所設置してきた。今回2カ所目を置くことは、当社にとって、EMEA(ヨーロッパ、中東およびアフリカ)市場がいかに重要で、いかにこの市場に貢献して発展させていきたいかを示すものだ」と語った。

 クルーガー氏は「われわれは顧客と共に次世代のソリューションを開発したいと考えている。世界は急速に変化し、自動化技術やロボット工学の分野の技術革新のペースも非常に速い。世界中のどんな企業でも、単独でこの状況に対処できないだろう。必要なのはパートナーシップ、コラボレーションであり、まさにこの施設がそれらを実現する場所だ」と強調していた。

コントロールセンターの説明PoCラボエリアの説明 コントロールセンターではデモエリアにおける生産ラインを一括して管理。バーチャルコミッショニングやトレーニング、予知保全、状態監視、注文管理などさまざまな機能が統合されているソリューションのデモを行っていた[クリックで拡大]
使用されたパレット倉庫ソリューション コントロールセンターがオーダーを管理し、生産ラインの状況に応じて、コントロールセンターからラインコントローラーにオーダーを送り、倉庫から要求されたパレットを出荷する。このほぼ全てがオムロン製だ[クリックで拡大]
アグリゲーションマシン倉庫からアグリゲーションマシンへと運ばれる アグリゲーションマシンで、完全な組み立ての前に必要な製品セットを配置する作業を行う。なお、FSoE(Safety over EtherCAT)対応のサーボドライブ搭載によって、問題発生時にドアを開けた際に速度を低下し危険を軽減する様子なども実演していた[クリックで拡大]
組み立てソリューション検査の様子 最後が組み立ておよび検査工程だ。この1台に組み立て用のロボットや検査用のビジョンシステムなど全てを統合している[クリックで拡大]
製薬業界向けの検査ソリューション検査の様子 このほかにも、製薬業界向けの検査ソリューションなどさまざまな業界向けにカスタマイズされたソリューションも用意する[クリックで拡大]
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