甚さん、ありがとうございます。後輩にきちんと教えられるほど、十分に理解できたと思います。
そうか! そんなら話が早え〜ってもんだぜぃ。次に行くぜぃ。
もう一度補足しますが、ここまでの1〜3を、良君のように完全マスターしていないと、次の「4.板金設計の応用である板金箱を上記1〜3で設計できること」へは入れません。ご注意ください。
さて、板金部品の形状設計は、下記のように分類されます。
バンバン板金設計は、「板金箱」が設計できれば、「ベテラン設計の領域」の約80%に入れます。それほど重要なのです。
まずよぉ、頭の中に浮かんだ「箱」のイメージをおもちゃの「レゴ(LEGO)ブロック」を使って表現したのが図5だぜぃ。もちろん、このままの形を板金ではできっこねぇと分かってくれ。
このままでは「できない」と判断できることが重要なんですね。OKです! 理解しました。構想中の設計物をレゴで表現したところが名案ですね。
ここまで理解すれば後は簡単だ! 「バンバン板金設計の即戦力になるフロー」におけるL型板金の応用だぜぃ。L形板金は、一面を起こして折り曲げていたがよぉ、四面を起こしてやればそれで終わりってもんよ。
えっ? そんなに簡単なんですかぁ?
繰り返しますが、L型板金と板金箱の設計は、バンバン板金設計の基本形です。特に、板金箱が設計できれば、後は応用版、変形版で対処できます。
図6を、しっかりマスターしましょう。
四面を直角に立ち上げ、その折り曲げの隅に、絵辞書のルールである「W≧2t×R」これを適用するだけなんですね! 超カンタン!
板金設計なんてこんなもんだ。料理よりはるかにやさしいだろう? あん? そんじゃよぉ、オメェがさっき言っていた……、
なるほど。それでは早速、現物による応用版を図7で見てみましょう。
最近は録画はといえばよぉ、DVDだがよぉ、ちょいと昔はこのマシン(VTR)で見ていたもんよ。メカ設計の連中は、この機構部の動きにロボットを連想したもんだぜぃ。感想を言えーっ!
図6の板金箱をひっくり返しただけなんですね! 感激! これなら僕にも設計できそうです。
そうよ! んだから、この時点で、「これで、ベテラン設計者の80%まで追い付けます」って、「バンバン板金設計の即戦力になるフロー」に書いてあるだろ? あん? 最後は、これでどうだ? 図8を見ろ!
VTRの事例ですが、よくメカを分解するような人には理解しやすそうですね。僕の場合、ホチキスの事例の方が、すごく分かりやすいです。
バンバン板金設計の基本形でここまでたどり着くことが、すなわち「ベテラン設計者の80%」に相当することが、感覚的に理解できたと思います。
◇
さて、次回もさらにバンバン板金設計のベテラン域にたどり着き、良君を一気に成長させます。ご期待ください。
また次回、お会いしましょう。
國井 良昌(くにい よしまさ)
技術士(機械部門:機械設計/設計工学)。日本技術士会 機械部会、埼玉県技術士。横浜国立大学 大学院工学研究院 非常勤講師。首都大学東京 大学院理工学研究科 非常勤講師。
1978年、横浜国立大学 工学部 機械工学科卒業。日立および、富士ゼロックスの高速レーザプリンタの設計に従事。富士ゼロックスでは、設計プロセス改革や設計審査長も務めた。1999年より、國井技術士設計事務所として、設計コンサルタント、セミナー講師、大学非常勤講師としても活躍中。「ついてきなぁ!加工知識と設計見積り力で『即戦力』」(日刊工業新聞社)と「ついてきなぁ! 『設計書ワザ』で勝負する技術者となれ!」(日刊工業新聞社)をはじめとする多数の書籍を執筆。
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