最終回は、板金と樹脂を使った部品組み立てのテクニックを紹介する。はめ殺しやスナップフィットはどうやって設計すればいいの?
根川 甚八(ねがわ じんぱち)
根川製作所 代表取締役社長。団塊世代の大田区系オヤジ技術屋。通称、甚さん
国木田良太(くにきだ りょうた)
ADO製作所 PC事業部 設計2課 勤務。80年代生まれのイマドキな若者。機構設計者。通称、良君
沢田恵梨香(さわだ えりか)
ADO製作所 PC事業部 設計2課に勤務する派遣社員。良君のい〜加減な設計を製図でしっかりフォローする優秀な設計アシスタント。製図専門学校卒。通称、エリカちゃん
*編集部注:本記事はフィクションです。実在の人物団体などとは一切関係ありません。
今回の第16回で、「バンバン板金設計」は最終回です。気合いを入れて行きましょう!
ところでよぉ、良君! 前回もしたがよお、オレサマの重要な話をしっかり覚えてっかぁ? ヒントはなぁ、「料理人の姿勢、料理人の心構え」だぁ。
それ、甚さんが何回も話すものだから、夢にまで出てきました。
おぉ、そうかい? そりゃ、いいことじゃねぇかい。そんでオメェ、どう思った? あん?
僕は本当に甘過ぎると思いました。
オメェら、機械設計者はどっか甘めぇ〜のよ。例えばよぉ、CAEだけで飯食っているヤツとか、電気の話になると逃げまくるヤツ……。あぁ、情けねぇときたもんだ。
機械設計者の全てがそうみたいに言わないでくださいよ。
おまけに、設計部なのに設計書もない、設計者なのに設計書も書けないときたもんだ。さらに図面も読めねぇ、描けねぇ、従って検図ができねぇときたもんだ。
甚さん甚さーん、それはうちの課長だけですからね。くれぐれも間違わないでくださいよ! 僕だって、今では自己研鑽(けんさん)を重ねているんですから! たまに気が抜けちゃうけど……。
国木田さんは、設計書も書いていますし、図面は読めるし、描け……ないけど、とにかく今は職場で設計者として信頼を得ていますよ。
ウワァァ、ありがとう、エ〜リカちゅわ〜んっ!!
うわっ! シッシッ!! ハウス、ハウス!
犬を追い払うみたいに……(泣)
おぉ、そうだったよなぁ。わりぃわりぃ。ていしたもんだ。そんじゃー、オメェんとこの課長を反面教師として、邁進(まいしん)しろ!
あじゃース!
それでは甚さん! 「板金のハイブリッドテクニック」を教えてください。
よしきた合点! そんじゃ、パスタしかできねぇイタリアンシェフ、フォアグラしか作れねぇフレンチシェフにならねぇように、板金のハイブリッドテクニックを教えるぜぃ! いきなシ、図1を見ろ! これが「はめ殺し」だ。
これはすごいですね。前回はねじ1本で固定する「板金スマートテクニック」でしたね。今回は、ねじ不要で板金部品と樹脂部品を締結ですか!
私も感激! ところで、どうしてハイブリッドなんですか? とても素敵なネーミングですけど……。
何が、ハイブリッドなのかと言うとだなぁ……。
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