先述したEV用急速充電器の課金システムは、全て会員登録が前提となっている。大阪府と充電網整備推進機構は、こういった会員制の急速充電サービスのビジネスモデルに関する実証調査を2012年4月26日から開始した。
この実証調査では、大阪府、京都府、兵庫県、滋賀県内に設置されている「おおさか充電インフラネットワーク」の60台のEV用急速充電器を使用する。おおさか充電インフラネットワークに会員登録している利用者には、これらのEV用急速充電器を利用した際に、さまざまな料金体系(月額固定制、従量制、これら2つの組み合わせなど)に応じた利用料金が仮想通貨によって通知される。仮想通貨なので実際には課金されないものの、EV用急速充電器の利用料を体感できるという仕組みだ。
実験開始から一定期間後に、サービスの利用者とEV用急速充電器の設置業者にアンケートを実施し、運用上の問題や料金体系、価格などについて調査する予定だ。仮想通貨を通知する充電インフラサービスは、日本ユニシスの「smart oasis」を利用する。
一方、官公庁や道の駅などに設置されているEV用急速充電器の場合、通信インフラが必要で、導入コストも高くつく会員制の充電インフラサービスを導入することは難しい。
富士電機は2012年4月27日、そういったEV用急速充電器向けにコイン式の課金装置を発売した。10円〜500円の硬貨を利用でき、紙幣には対応していない。子会社の富士電機リテイルシステムズの自動販売機技術を応用しており、通常の自動販売機と同等のセキュリティレベルを確保しているという。
富士電機製のEV用急速充電器とこのコイン式課金装置を組み合わせれば、会員制サービスを導入しなくてもEV用急速充電器の課金を行えるようになる。価格は、EV用急速充電器が180万〜200万円、コイン式課金装置は63万円だ。
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