ソニー・ホンダモビリティ 代表取締役 社長 兼 COOの川西泉氏がCES 2025会場でMONOistなど報道陣の合同取材に応じ、最初のモデルとして発表した「AFEELA 1」に込めた思いや、今後の方向性について考えを述べた。
ソニー・ホンダモビリティ 代表取締役 社長 兼 COOの川西泉氏がCES 2025(2025年1月7〜10日、米国ネバダ州ラスベガス)会場でMONOistなど報道陣の合同取材に応じ、最初のモデルとして発表した「AFEELA 1」に込めた思いや、今後の方向性について考えを述べた。
ソニー・ホンダモビリティでは、CES会期前日2025年1月6日に、ソニーグループの記者発表に合わせて、「AFEELA」ブランド最初のモデルとして「AFEELA 1」を発表した。その中で、「AFEELA 1 Origin」(8万9900米ドル)と「AFEELA 1 Signature」(10万2900米ドル)の2トリム展開である点や、2025年1月6日から予約販売を開始し、2025年中に米国カリフォルニア州で正式発売、納車開始が2026年中旬となることなどが発表された。また、日本向けは納車時期が2026年中としている。生産はオハイオ州にあるホンダの工場で行うとしている。
その後、1月7日には、ソニー・ホンダモビリティ単独でのプレスカンファレンスを行い、「AFEELA 1」発売に向けて、体験できる新拠点「AFEELA Studio & Delivery Hub」を2025年後半にカリフォルニア州トーランス市およびフリーモント市にオープンすることを発表。さらに、修理やメンテナンスのため米国最大級の車両板金修理店舗網を展開するCrash Championsと提携することも発表し、正式展開に向けた体制を着々と構築していることを示した。
開発の狙いや思いなどについて、報道陣との一問一答を紹介する。
―― 製品の特徴としてエンターテインメント方向での機能などが強くアピールされているように感じますが、どう捉えていますか。
川西氏 エンターテインメント方向がどうしても分かりやすくなるために、そういう取り上げ方になるのは分かるが、本当に見せたいのは、アップデートで成長していくというところだ。それも機能としての役割だけではなく、愛着など新たな基軸での成長を示していけないかという点を最大の特徴にしていきたいと考えている。販売時から完成したクルマが欲しいというユーザーはターゲットとしていない。家族の一員として育てていくようなそういうクルマの在り方を目指したい。機能を満たすということ以外の軸を作りたい。そのためのアプリケーションを整える。そこが価値となると考えている。
―― 今回の「AFEELA 1」の形状や性能で本当にビジネスとして勝てると見ているのでしょうか。どういう位置付けだと考えているのでしょうか。
川西氏 EV(電気自動車)の売れ筋を考えるとSUV(Sport Utility Vehicle)型の方がよいのは事実だが、初めてわれわれのクルマを出す中で、われわれが目指す特徴を盛り込みやすい形とする方がよいと考えた。SUVではどうしてもやれることが限られてくる。フラグシップというわけではないが、見せたいものを見せるということが最も重要だと捉えた結果が、今回のセダン型の「AFEELA 1」だ。ビジネスだけを考えるとやりたいこととトレードオフの関係になる部分が出てくる。今回はそれよりもやりたいことを表現することを優先した。
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