ホンダは電気自動車の「0シリーズ」のプロトタイプ2車種と、搭載予定のビークルOS「ASIMO OS」を発表した。
ホンダは2025年1月8日、「CES 2025」(2025年1月7〜10日、米国ネバダ州ラスベガス)において、電気自動車(EV)の「0(ゼロ)シリーズ」のプロトタイプ2車種と、搭載予定のビークルOS「ASIMO OS」を発表した。0シリーズに搭載する高性能SoC(System on Chip)はルネサス エレクトロニクスと開発する。
今回プロトタイプとして披露した「0 SUV」は2026年前半に、「0 SALOON」も2026年中に市場投入する。どちらも量産モデルにかなり近いデザインだとしている。2車種とも北米で生産と販売をスタートするが、日本や欧州などにもグローバル展開する。
0シリーズは「Thin, Light, and Wise.(薄い、軽い、賢い)」をテーマに開発されたEVだ。現在のEVは走行可能距離を追求してにバッテリーの搭載量を増やしてきた結果、車体が大型化してEVは“厚く、重くなっている”とホンダは考えている。また、過度なスペック競争はいずれ頭打ちになり、他社との差別化が難しくなるとみている。現在の他社製EVと同じ競争をしない考えの下で0シリーズが企画された。
フロア高を抑えるEV専用プラットフォームや高効率でパッケージングに優れたeAxle、軽量かつ高密度なバッテリーパック、知能化やソフトウェアデファインドモビリティによる賢さによって0シリーズを実現する。
0 SUVは、2024年のCESで披露したコンセプトモデル「SAPCE-HUB」を踏襲し、SUVで“薄い、軽い、賢い”を目指した。空間を一層拡張し、開放的な視界と自由度の高い居住空間を提供する。ASIMO OSによるパーソナライズにより、空間価値やデジタルなユーザー体験を進化させ続けるという。また、ロボティクス技術で培った3次元ジャイロセンサーによる高精度の姿勢推定や安定化制御などにより、さまざまな路面環境で安全かつ意のままのダイナミクスを実現する。
0 SALOONは、2024年のCESで公開したコンセプトモデルを発売に向けて進化させた。コンセプトモデルのデザインを維持し、低全高でスポーティーなスタイルと広い室内空間を両立した。また、ASIMO OSにより、ユーザー一人一人に「超・個人最適化」された移動体験を提供する。
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