メカ設計者のための用語辞典。今回は「TRIZ」について解説する。
「TRIZ」は、「トゥリーズ」もしくは「トリーズ」と読む。旧ソビエト連邦で生まれた問題解決手法もしくは発想手法で、名称はロシア語の「Teoriya Resheniya Izobretatelskikh Zadatch」の頭文字を取ったもの。読み方は“ティオリア、リシェニア、イズブレタチェルスキフ、ザダチェ”である。
1946年から旧ソビエト連邦の海軍に属していた特許審査官ゲンリック・アルトシュラーが開始した研究が起源となっている。英訳は「The Theory of Inventive Problem Solving」、日本語訳では「発明的(発明級)問題解決理論」となる。
TRIZはアルトシュラーが、過去における世界中の特許文献約250万件を分析し「発明原理」として発想方法を体系化したものである(参考:「ブレーキシステムの問題解決アイデアを出そう」)。
TRIZは矛盾の解決を重視する手法であり、以下の3つの矛盾を対象とする。
TRIZの定める「39の特性パラメータ」は以下の通りである。
TRIZの40の発明原理は以下の通りである。
TRIZでは、自分たちが直面している問題や課題を洗い出し、矛盾を明確化する。特性パラメータを用いて、問題や課題の矛盾関係を考慮してマトリクスにまとめる。さらに、発明原理を照らし合わせながら、問題解決法を検討していく。この手法は付せんやホワイトボードがあれば行えるが、複雑な思考を伴うことがあることから、支援ソフトウェアを用いて行うこともある。
また、TRIZとQFD(品質機能展開)など、他手法を連携させることでより効果が高まるとされている。
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