TRIZでコマのアイデアをたくさん出して、創造力豊かな設計者になろう!
序章の宿題:「コマ大戦のレギュレーションに沿ったコマのアイデアをいくつか考えてみてください」
さあ、あなたはいくつのアイデアが出てきたでしょうか? その数で成績(番付)を予測してみましょう!
>>TRIZ&TMでコマ大戦で勝てる!? コマを設計しよう(序章)
>>関連リンク:全日本製造業コマ大戦公式サイト)
大会でそれなりの結果を出すためには、少なくとも200個以上のアイデアが欲しいところです。というのも、先人たちはたくさんのコマを作り、大会に出場する中で場数を踏み、仲間との情報交換などによる経験値(アイデア)をたくさん積み重ねているからです。
これから参戦する、あるいは上位を狙おうとするあなたが、何個もコマを作って研究し、何回も大会に参戦し、多大な費用と時間を注ぎ込んで経験を積むとしても、先人を上回る何かがなければ、いつまでたっても追い付くことはできないでしょう。
とはいっても、200個のアイデアは並大抵のやり方では出てきません。そこで今回は、多くの企業で実践されているTRIZを中核とした体系的手法を使いながら、実際にアイデアを考えていきたいと思います。
今まで経験したことがない問題に直面したとき、最初に行うことは「システムの把握」です。コマの仕組み、原理、大会のルールなどを確認し、コマシステムの目的、コマを構成する部品とその相互関係、入力と出力の関係、周囲の環境などを把握する意味で、機能−属性分析(デバイス分析)を行います。
コマとは、「人間の指がツマミをひねる」「その回転力が回転体を回す」「回転エネルギを保持して安定させる」システムといった感じでしょう。
そのとき、どんな有害作用がどこから発生するか、機能の不足する作用がどこから発生するか、などを明らかにするものです(図1)。
さて図1にある下記の項目に注目してみましょう。
最初から完成度の高いモデルを作る必要はありません。基本的な構成要素とその作用からはじめ、その後分かってきたことを付け足していけばよいのです。これにより、相手より長く回るコマを作る上での課題が明確になってきました。
この中で特に注目したいのが重心位置と回転体の質量、モーメントの関係です(図2)。
これらの値は相互に関係性があり、どれかの項目を改善すると他の項目が悪化してしまう、いわば「矛盾のかたまり」状態にあります。
ここで登場するのが「TRIZの発明原理」です。矛盾問題を妥協ではなく、根本的に解決するためのツールで40個の発明原理を使って問題解決に臨みます。
ちなみに次回は、これらのパラメータをタグチメソッドで最適設計に持ち込む方法を紹介します。
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