サイバネットシステムらは、紫外線硬化接着剤の硬化過程を予測する「硬化収縮応力シミュレーション技術」を開発した。熱硬化性接着剤の硬化反応に伴う材料特性の変化を計算し、UV照射中の接着剤の挙動を予測する。
サイバネットシステムは2025年6月9日、芝浦工業大学と共同で、紫外線硬化接着剤(UV接着剤)の硬化過程を予測する「硬化収縮応力シミュレーション技術」を開発したと発表した。
UV接着剤を用いた精密接着技術は、マイクロ接合技術の1つとして使用されているが、マイクロ接合は緻密な精度が要求されることに加え、部品の微小位置ずれや変形が製品の機能劣化を招く可能性が指摘されている。そこで、成形不良の原因究明のため、硬化収縮応力シミュレーション技術を開発した。
同技術は、有限要素法(FEM)の構造解析ソフトウェアを活用しており、熱硬化性接着剤の硬化反応に伴う材料特性の変化を計算し、UV照射中の接着剤の挙動を予測する。硬化度の時間発展や、それに伴う粘弾性特性の変化は、マルチフィジックス解析ソフトウェア「Ansys」のユーザーサブルーチンにより考慮している。
UV照射中に硬化する接着剤の緩和過程変化を連続的に計測した結果と、それを考慮したシミュレーションを実施したところ、UV照射により、UV硬化樹脂が液体からゲル、固体へと遷移する過程の材料挙動を把握できた。
また、レンズを接着する際に、レンズの変位や応力などに、UV照度やそれに付随するUV接着剤の硬化挙動が影響を及ぼすことが分かった。
精密機器の設計開発工程に、同技術を取り入れることで、成形不良の原因究明やその予測ができる。
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