総務省が発表した日本の技術貿易収支は20年連続の黒字となる2兆2724億円となり、過去最高の結果となった。技術貿易収支とは特許権やノウハウの提供、技術指導など技術に関連する収支額のこと。
総務省は2014年1月24日、同省が毎年実施している科学技術研究調査の中から、2012年度(2012年4月〜2013年3月)の技術貿易収支について発表した。それによると、2012年度の技術貿易収支額は2兆2724億円の黒字となり、過去最高の結果となった。また技術貿易収支の黒字は1993年度(1993年4月〜1994年3月)以降20年連続となっている(関連記事:アジアよ!これが日本の実力だ!――トムソン・ロイターが革新企業トップ100発表)。
技術貿易とは、諸外国との間における特許権、ノウハウの提供や技術指導など、技術の提供と受け入れのこと。技術貿易収支は、科学技術に関する研究活動の成果でもあることから、企業の技術力・産業競争力を把握する指標の1つになっているという。
日本企業の2012年度の技術貿易収支を見ると、技術輸出による受取額は2兆7210億円、技術輸入による支払額は4486億円で、技術貿易収支額(輸出−輸入)は2兆2724億円と過去最高の黒字となったという(図1)。
注)1996年度から「ソフトウェア業」、2001年度から「卸売業」「銀行・信託業」「貸金業、投資業等非預金信用機関(政府関係金融機関を除く)」「補助的金融業、附帯業」「証券業、商品先物取引業」「保険業(保険媒介代理業、保険サービス業を含む)」「情報処理・提供サービス業」「学術研究機関」などを調査の対象に追加している。
技術貿易収支額は主要国(G8)と比較した場合、2010年に英国を抜き、2位となっているという(図2)。
注)日本の値は年度。比較可能な最新時点までを表示(フランスは2003年まで、カナダは2010年までの表示)
また、海外現地法人との親子会社間取引を除く貿易収支額についても2012年度は3597億円の黒字となっており、2006年度(2006年4月〜2007年3月)以降、7年連続の黒字になっているという。
親子会社間取引を含む技術貿易収支額の構成比を産業別に見ると、2012年度では輸送用機械器具製造業が64.1%と最も大きく、次いで、医薬品製造業(10.9%)、情報通信機械器具製造業(5.0%)が続く。一方、親子会社間取引を除くと、医薬品製造業が43.7%と最も大きく、次いで、輸送用機械器具製造業(37.3%)となっている(図3)。
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