パテント・リザルトは、鉄鋼、非鉄金属、金属製品業界を対象に、2023年の特許審査過程で他社特許への拒絶理由として引用された特許件数を企業別に集計した「他社けん制力」のランキングを発表した。住友電気工業の1946件が最多だった。
特許分析ソフトウェアなどを展開するパテント・リザルトは2024年7月17日、鉄鋼、非鉄金属、金属製品業界を対象に、2023年の特許審査過程で他社特許への拒絶理由として引用された特許件数を企業別に集計した「他社けん制力」のランキングを発表した。1位は前年に続き住友電気工業で、引用された特許数は1946件となった。2位も前年同様日本製鉄で1431件、3位は前年4位のプロテリアルで829件だった。
住友電工は、「クロムを主体とする薄膜歪抵抗材料」に関する特許技術が、ミネベアミツミの「ひずみゲージ」関連特許など計28件の審査過程で引用された。また「移動体用誘導給電装置」に関する技術が、ブリヂストンなど計6件の拒絶理由として引用されている。住友電工の特許で影響を受けた件数が最も多い企業は、古河電気工業の76件だった。
日本製鉄は「電線が圧着端子から抜けてしまうことがない圧着端子」に関する特許技術が、古河電気工業と古河ASが共同保有の「端子付き電線およびワイヤハーネス」関連特許など計5件の審査過程で引用された。日本製鉄の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はJFEスチールの177件、次いで神戸製鋼所とPOSCOの27件だった。
プロテリアルは「リチウムイオン二次電池の正極材料」に関する技術が、LG ENERGY SOLUTIONなど計3件の審査過程で拒絶理由として引用されている。プロテリアルの特許で影響を受けた件数が最も多い企業は住友電気工業の39件で、次いでTDKの31件だった。
この調査は、2023年1月〜12月末の期間に日本特許庁で審査された特許を対象としている。権利移転を反映しており、2024年5月時点で権利を保有している企業の名義で集計した。
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