デンソーは、世界最高の燃料噴射圧力を備える第4世代のコモンレールシステムを開発している。2013年に海外市場で発売される乗用車に出荷する計画だ。
デンソーは、「人とくるまのテクノロジー展2012」(2012年5月23〜25日、パシフィコ横浜)において、ディーゼルエンジンに用いるコモンレールシステムの第4世代品を展示した。2013年に海外市場で発売される予定の乗用車など向けに開発中の製品だ。
展示した第4世代のコモンレールシステムの燃料噴射圧力は、乗用車向けが250MPa、大型商用車向けが300MPaで、ともに「世界最高圧力」(デンソー)となっている。より高圧の燃料噴射圧力を実現するために、燃料を送出するポンプ、燃料をためて蓄圧するレール、燃料を噴射するインジェクタといった主要部品の耐圧性を高めた。燃料噴射圧力が200MPaの第3世代品よりも均一に燃料を噴射できるので、燃料燃焼時のNOx(窒素酸化物)やススの発生を低減することが可能だ。
また、インジェクタに「i-ART(Intelligent Accuracy Refinement Technology)」と呼ぶフィードバックループ噴射制御システムを採用している。i-ARTでは、インジェクタのレールとの接続点部に圧力センサーを組み込んでいる。この圧力センサーで検出した圧力を使って、ディーゼルエンジンのECU(電子制御ユニット)で算出した値を基に最適な燃料噴射を行う。既存のコモンレールシステムでは、レール内に設置した1個の圧力センサーを使って燃料噴射を行っていた。デンソーは、「ポンプからの燃料送出や各インジェクタからの燃料噴射によってレール内の圧力は均一ではない。i-ARTのように、インジェクタの入り口で検出した圧力を使えば、より最適な燃料噴射が可能になる」としている。
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