カルソニックカンセイが開発中の電池パック向け温調ユニットを使えば、寒冷地や熱帯地域でも電気自動車(EV)やハイブリッド車(HEV)を利用できるようになる。
カルソニックカンセイは、「人とくるまのテクノロジー展2012」(2012年5月23〜25日、パシフィコ横浜)において、電気自動車(EV)やハイブリッド車(HEV)に搭載されている電池パック向けの温調ユニットを展示した。同ユニットを搭載することで、寒冷地や熱帯地域でもEVやHEVが利用できるようになる。
展示した温調ユニットは、ブロアファン、冷却用のエバポレータ、加熱用のPTC(正温度係数)ヒーターから構成される。ブロアファンには、小型で高効率の直流ブラシレスモーターを採用した。冷却出力は900W、加熱出力は1000Wとなっている。「小型かつ静粛性が高いのでEVやHEVにも十分搭載できる」(同社)という。
EVやHEVに搭載されているリチウムイオン電池やニッケル水素電池の使用温度範囲は、0〜45℃程度に定められている。これは、氷点下で実効容量が下がったり、高温下で充放電すると電池が劣化しやすくなったりするのを避けるためだ。そのため、冬の昼間でも氷点下になる寒冷地や、車両温度が50℃以上に達する可能性のある熱帯地域では、EVやHEVの利用は推奨されていない。カルソニックカンセイの温調ユニットを搭載すれば、EVやHEVの利用地域を広げることが可能になる。また、電池パックの温度を、実効容量や充放電性能が最も高くなる30℃前後に維持することで、電池パックの限界性能を引き出せるようにもなる。
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