日産が再起に向け新型車と第3世代e-POWERを全世界に展開、3代目リーフはNACS対応電動化(1/3 ページ)

日産自動車は、3代目となる新型「リーフ」をはじめとする新型車やマイナーチェンジ車、第3世代「e-POWER」など2025~2026年度にかけて投入する予定の新技術を発表した。

» 2025年03月27日 07時30分 公開
[MONOist]

 日産自動車は2025年3月26日、3代目となる新型「リーフ」をはじめとする新型車やマイナーチェンジ車、第3世代「e-POWER」など2025~2026年度にかけて投入する予定の新技術を発表した。

 2025年半ばに詳細を発表する予定の新型リーフは、洗練されたデザインと広々とした室内空間を併せ持つクロスオーバーとして一新される。空力性能を大幅に向上させるとともに、先進的なEV(電気自動車)アーキテクチャを採用する方針である。

3代目となる新型「リーフ」の外観イメージ 3代目となる新型「リーフ」の外観イメージ[クリックで拡大] 出所:日産自動車

 19インチのアルミホイールとパノラミックガラスルーフを初採用するとともに、北米仕様車にはNACS(北米充電規格)に準拠した充電ポートを搭載する。日産のEVとして初めて、テスラスーパーチャージャーネットワークにアクセスできるようになるという。

 新型リーフは2022年1月発売の「アリア」から採用している「CMF EVプラットフォーム」を用いる。さらに、モーター、インバーター、減速機という3つの部品をモジュール化した3-in-1パワートレインによる効率的なエネルギーマネジメント、優れたパッケージング、走行性能の向上を実現し、現行車比で大幅な航続距離の改善を見込んでいる。

日産自動車の電動パワートレインの構成 日産自動車の電動パワートレインの構成。EV向けの3-in-1とe-POWER向けの5-in-1があり、主要部品を共有している[クリックで拡大] 出所:日産自動車

 新技術で注目されるのが第3世代のe-POWERだろう。e-POWERは、小型のガソリンエンジンとリチウムイオン電池の組み合わせによって電動モーターを駆動するシステムである。電動モーターのみで駆動するので、力強くレスポンスの良い加速と、高い静粛性を特徴としたEVのような運転体験が得られる。2016年11月に「ノート」にe-POWERの初代システムを搭載してから累計で160万台以上を生産してきた。

 第3世代のe-POWERは、効率性の大幅な改善により、現在の第2世代システムに比べて高速走行時の燃費を最大15%向上させることを目指している。新しいe-POWER専用の排気量1.5l(リットル)エンジンを採用し、モーター、インバーター、減速機に加えて発電用の発電機と増速機という5つの部品をモジュール化した5-in-1システムは、日産自動車の最新のEVパワートレインと主要部品を共有している。第3世代e-POWERは、2025年度後半に欧州の「キャシュカイ」から搭載され、2026年度には北米の次世代「ローグ」および日本市場向けの大型ミニバンに搭載される予定である。

 日産自動車 チーフプランニングオフィサーで、2025年4月1日から新たな代表執行役社長兼CEOに就任するイヴァン・エスピノーサ氏は「今後2年間で、新型リーフや新型『マイクラEV』を含む魅力あふれる商品ラインアップを構築する。さらに、SUVのラインアップを刷新し運転体験を向上させる。また、次世代e-POWERは新次元の洗練された高効率な走りを実現する。われわれは最高の日産を体現する商品に投資し、世界中の熱いファンの皆さまと日産を支えてくださっている顧客にワクワクする体験をお届けすることを約束する」と述べている。

日産自動車のイヴァン・エスピノーサ氏 日産自動車のイヴァン・エスピノーサ氏[クリックで拡大] 出所:日産自動車
       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.