ジャパンインテグレーションら6社から成る宮古島デジタル観光コンソーシアムは、沖縄県宮古島で自動運転送迎サービスを実証した。自営5GやMEC、Autowareを活用し、観光客と地域住民の移動課題に対応する技術を検証した。
ジャパンインテグレーションは2026年7月15日、自営5GとMEC(Multi-access Edge Computing)を活用した自動運転送迎サービスの実証事業を沖縄県宮古島市で実施したと発表した。同事業は、総務省の「令和7年度地域社会DX推進パッケージ事業(先進無線システム活用タイプ)」に採択された「自営5G-MEC連携インバウンド観光客向けの観光送迎自動運転運行事業」の一環として実施した。
同事業には、エクトラ、宮古島観光協会、ANAあきんど宮古支店、イイガ、オーガニック・コミュニケーションズが参画し、「宮古島デジタル観光コンソーシアム」を組織した。宮古島市が抱える観光客の増加や地域交通の担い手不足といった課題を背景に、オンデマンド型の自動運転サービスの運用に必要な通信基盤や制御技術の検証を進めた。
実証では、宮古島市内に自営5Gコアネットワークを設置し、5〜10km圏を閉域ネットワークでカバーした。さらに港湾部や市街地ではローカル5Gスポットを配置し、通信エリアの拡大と通信遅延の低減を図った。
車両制御では、自動運転ソフトウェア「Autoware」と次世代ロボット制御プロトコル「zenoh」を組み合わせた分散型システムを採用した。車両側の演算処理を減らすため、島内にMECノードを設置し、障害物や歩行者の動きの予測、危険判定、経路再計算などの処理をエッジ側で実施する構成とした。
また、車載カメラやセンサーの映像に加え、路側カメラ映像を200ミリ秒以内にMECへ集約する仕組みを構築した。AI(人工知能)によって歩行者や車両、障害物を90%以上の精度で推定し、その結果をもとに停止や譲歩の判断結果を車両へ送信する。車両とインフラ間のリアルタイム通信には、zenohのPub/Sub方式を採用した。これにより、毎秒1万件を超えるメッセージ配信性能を検証したという。
今回の実証では、自営5GネットワークとMECを組み合わせた分散処理環境の下で、自動運転車両の制御や周辺環境認識に関する各技術の動作を確認した。コンソーシアムは今後、実証結果をもとに地域交通サービスへの適用可能性を検討していく方針だ。
宮古島市では、クルーズ船の寄港時に約4000人規模の観光客が来島する一方で、地域交通の担い手不足や高齢化に伴う移動手段の確保が課題となっている。観光需要の増加に対応しながら、住民の日常的な移動を支える交通サービスの整備が求められている。
こうした状況を受け、総務省は地域課題の解決に向けて5Gやローカル5Gなどの先進無線システムの活用を支援している。今回の事業は、自営5GやMECによる低遅延通信基盤と、自動運転技術を組み合わせることで、離島地域における新たな移動サービスの可能性を検証する取り組みとして実施された。
今回の実証では、自動運転の演算処理の一部を車両からMECへ移し、車載システムの処理負荷を軽減する構成を検証した。
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