産業向け高出力ダイレクトダイオードレーザー大手を完全子会社化:FAニュース
パナソニックは、高出力ダイレクトダイオードレーザーの大手企業である米TeraDiodeの全株式を取得すると発表した。TeraDiodeの基幹技術を獲得し、レーザー加工事業をさらに強化する狙いだ。
パナソニックは2017年1月6日、米TeraDiodeの全株式を取得する契約の締結をしたと発表した。同月2日付(米現地時間)で、産業向け高出力ダイレクトダイオードレーザー(DDL)の大手企業であるTeraDiodeを完全子会社化することで合意した。
2009年8月に設立したTeraDiodeは、マサチューセッツ州ウィルミントンを拠点とし、一般産業向けレーザーの開発・製造・販売を手掛ける。自動車産業などで進む製品の軽量化や高剛性化、デザイン自由度向上、生産性向上のニーズに応じて、高精度・高品質なレーザー加工技術への期待が高まっている。TeraDiodeが得意とする波長合成技術を用いた高出力DDLは、これらの要求に応える次世代レーザーとして注目される。
パナソニックとTeraDiodeはこうした市場動向の中、2013年に協業を開始し、2014年には高出力DDLを搭載した世界初のレーザー溶接ロボットシステム「LAPRISS」の販売を開始。同年には、パナソニックはアジア圏主要国における溶接用DDLの独占販売権を取得するなど、開発、製造、販売、サービスなどの広範な領域で両社は協力し、DDLの普及・促進を図ってきた。
パナソニックは、自社のレーザー加工事業をさらに強化するには基幹技術であるTeraDiodeのDDL技術やノウハウの獲得が不可欠だとし、両社で協議を重ねた結果、完全子会社化の合意に至ったとしている。
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