三菱電機は、アイアンレイ(群馬県高崎市)に納入した大形ファイバーレーザー加工機「ML6030GXL-F80」の特別見学会を開催した。国内初導入となる同機は、大判ワーク対応と厚板切断性能に加え、自社製ヘッドやAIによる加工監視機能を備える。現場では夜間無人運転や即日納品の実現など、生産性向上の効果も現れ始めている。
三菱電機は2026年2月19日、アイアンレイ(群馬県高崎市)に納入した大形ファイバーレーザー加工機「ML6030GXL-F80」の特別見学会を開催し、関東近郊の企業を中心に32社51人が参加した。同機の初めての国内導入先で、実機の披露は今回初ということもあり、大分県から参加した企業もあったという。
ML6030GXLは、パレットチェンジャーを含めた設置面積が8400×2万2800mm(コンプレッサーなど周辺装置除く)という大型の2次元ファイバーレーザー加工機だ。対象ワークの寸法は6100×3050mm、ストロークは6200(X軸)×3115(Y軸)×150mm(Z軸)となっている。レーザーの発振器は6kW、10kW、12kWのラインアップだが、間もなく20kWのモデルも追加されるという。
ML6030GXLシリーズは「止まらない加工機」をコンセプトとし、発振器や制御装置、光学系などの主要部品を自社製品でそろえている。また、自社製の加工ヘッド「ZOOM HEAD」は材質、板厚に応じてビームの径やモードを最適に制御するため、従来必要だったレンズ交換などの段取替えが不要になる他、軟鋼厚板のピアス時間の短縮が可能になる。制御装置には三菱電機のAI(人工知能)技術「Maisart」を搭載しており、加工中の光と音を基にAIが加工不良を検知し、ノズルの交換や条件の調整を自動で行う。
アイアンレイが導入したのは発振器が8kWの「ML6030GXL-F80」だ。これまで使用してた他社製ファイバーレーザー加工機を入れ替えるため、コータキ精機のマーキング装置と北川精機の自動ストッカーシステムと併せて2024年に導入した。
アイアンレイ 工場長の金井翔太氏は「厚さ25mmまでのワークはML6030GXL-F80で切っている。あまり断面の品質を求められない場合は厚さ32mmのワークも同機で切断したことがある。導入前は、ワークの材質によっては切断面が斜めになったこともあったが、そういったことも起きなくなった」と語る。
ML6030GXL-F80導入の背景には、他社製のC02レーザー加工機2台を入れ替えるため2023年に導入した三菱電機のファイバーレーザー加工機「ML3015GX-F60」と15枚のパレットを収納できる「30PCL」の存在がある。
「切断だけでなく主軸の移動なども速く、従来あった2台分の加工を1台でカバーできるくらいスピードが違った。ストッカーも設置したため、従業員が夜家に帰る前にワークをセットをすると、従業員がいない夜の間に自動で加工でき、従業員が朝仕事を始める時には全ての加工が終わっている。即日納品も可能になり、お客さまからも“アイアンレイは早いね”といわれるようになった」(金井氏)
レーザー加工機専任の担当者が、遠隔で加工機や発振器、制御装置をサポートする「iQ Care Remote4U」も生産性向上に寄与しているという。iQ Care Remote4Uは、三菱電機のコールセンターからユーザーの加工機の操作画面を閲覧/操作できるリモート診断機能や、機械の稼働状況などをスマートフォンやタブレット端末から確認できるダッシュボード機能を提供している。
「納期に間に合わせるため夜間に作業している時でも、加工条件に関してコールセンターに電話すると、こちらの画面を遠隔で操作しながら条件の調整をサポートしてくれる。電話だけでは伝わりにくいかもしれないが、同じ画面を見ながら話してくれるのでアドバイスが分かりやすい」(金井氏)
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