キヤノンは、さまざまな医療画像を患者情報と関連付けて、統合的に管理・共有するクラウドソリューション「統合医療画像管理システム」を開発した。医療施設を中心に2016年3月上旬から提供を開始する。
キヤノンは2015年10月22日、さまざまな医療画像を患者情報と関連付けて、統合的に管理・共有するクラウドソリューション「統合医療画像管理システム」を開発したと発表した。クリニックや一般病院、在宅医療に関わる医療従事者向けで、医療施設を中心に2016年3月上旬から提供を開始する。
近年、医療画像診断装置の高度化とともに医療画像のデータ量が増加し、医療従事者の画像管理に関わる負荷が高まっている。また、在宅医療の拡大により、病院外でのデジタルカメラやスマートフォン画像の利用も増えており、これらを統合的に管理するシステムが求められているという。
同システムは、医療画像を統合的に管理するクラウド型のシステムで、ウェブブラウザ上で動作するため、さまざまな端末から利用できる。X線やCT、MRIなどの医療画像に加え、デジタルカメラの静止画・動画、帳票など、さまざまな画像を患者ごとに画像ポータル内で管理・閲覧できる。また、画像種別と時系列のマトリクス表示により、医療従事者が患者の治療経過を素早く確認できる。地域連携医療への活用も想定し、連携施設の画像も表示可能にした。
さらに、非定形医療帳票をスキャナーで読み取ると、患者ID、診療科、帳票種別などの患者情報を自動的に認識し、病院内の患者情報と関連付けてクラウドサーバへアップロードする帳票スキャン機能も搭載。患者のIDや診療科、帳票種別を元にした検索・ファイリングが、院内外を問わず可能になるという。
デジタルカメラやスマートフォンの画像をクラウドサーバへ自動アップロードする画像取り込み機能では、病院内のデータベースと連携し、患者ごとに瞬時に登録して安全に管理できる。インターネット環境があれば、ポータル画面を通じてどこからでも画像を参照できるため、在宅医療や介護などの現場でも活用できる。
サービス利用料は、データ容量に応じて設定。同社では、同サービスの導入により、画像管理に関わる業務負荷を低減し、運用に関わる医療機関のコストを削減するほか、複数の病院・クリニック間の画像連携を促進していくという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.